介護認定
今日は区から《ケアマネージャー》なる人が来た。祖父と祖母の【介護度数】なるものを見極めにだ。祖父と祖母は、来る日も来る日も起きて、ご飯→コタツでTV→ご飯→コタツでTV→ご飯→コタツでTV→寝る→起きる→…と、外界に全く接さず、刺激の無い生活を送っているのでたまに家族以外の人が現われると、興味深々だ。特に今回はその人からテストされたから、一大事だった。C:おじいちゃん(おばあちゃん)ご飯はどうしてるの?J&B:若い人が作ってくれてますよ!【若い人って…。母の事??】C:おばあちゃん、生年月日教えてB:大正●年●月●日です!【大嘘である…】C:おじいちゃん、お風呂はどうしてるの?J:毎日入ってるよ。今日も入った!【大嘘である。大体まだ昼だし…】C:おばあちゃん、ちょっと歩いてみてくれる?【カチンコチンのロボット歩き。背筋は見たこともないくらい真っ直ぐである…】C:じゃあ、おばあちゃん。今季節は何かな?B:…夏だ。【ストーブを焚いてコタツに足を入れてても夏なのだ】その様子を、母と見ていた。終了後、ケアマネージャーと母とは話した。どこの家庭でも、老人は【がんばって】しまうのだそうだ。何故か良いところを見せようと背筋を伸ばし、思いつく最良の事を一生懸命言うのだという。大体、症状が悪ければ悪いほど補助金が出て助かるというのに、【がんばる】時点で状況が分からなくなっているのだ。マネージャーが帰ると母はいつに無いすっきりとした顔をしていた。日々の食い違い生活の中で、自分が苛立っている事を否定しながら我慢し続けている母は全くの他人に肯定されたような気がしたのだろう。父は施設や病院に入れる気は無いそうだ。母が嫌な想いを我慢した日は機関銃のようにとめどなく父に愚痴る。責める。親に好きなようにさせたい父と父のために…と我慢する母は、すれ違う。深夜、赤ん坊にお乳をあげようと目を覚ますと母になじられ、泣かれた父がひとり台所の机にうなだれて座っていた。これから何年か先まで、しんどくなっていく一方だろう。わたしは、何が出来るのか。考えなければ。。。