未来へ、そして輝きを忘れたきみへ
もし記事にしてたらすみません(汗)Sandfish Recordさんよりリリースされている、Scott Fisher & 1 a.m. Approach「Step into the Future」。実はここのレーベルのアーティストはかなり好きです。去年(だったかな?)、渋谷のタワレコにできていたSandfishさん特集コーナーでお友達と試聴して、キャー!とテンション高くなって買いました。ギタリストBob Dunham、ドラマーEnrique Gonzalezの二人が加わって、1 a.m. Approachというバンド形式になっているようです。冒頭の「Step into the Future」のイントロがとても印象的です。一瞬、これはジャズかはたまたR&Bか?!と思わせる、力強いピアノの音色は、一気にこちらの心をぐっと引き寄せます。そしてScottの少しハスキーな声がとても良く合うのです。セクシーなファルセットがいっそうそれを引き立てて、単なるピアノSSWの域を脱しているなあと思いました。Ben Foldsや、雰囲気的にJason Mrazの3rd。素直でキラっとしたピアノソロは、同じレーベルからリリースされているGabriel Mannにも通じるような。私が気に入っている「Shades of Blue」はR&Bでもジャズでもなく、真っ向勝負な歌モノ。素直すぎて涙が出そうです。かと思えば次の「3,000 Years」は、ブルーノートでも聴けそうな雰囲気のスタイリッシュナンバー。そして、個人的にはこれが群を抜いた存在だと思う、「Forgot About The Stars」。優しいピアノのイントロから、他とは違う閃きを感じました。「きみは星の輝きを忘れてしまった」「きみは道に迷っちゃったんだね」と語りかけるように歌うScottの声が、しみます。輝き方を忘れて、どうにもこうにもならなくて、どこへ行って良いかもわからない。そんなとき、「頑張れ、きみならできる」と言わずに、ただ優しく寄り添うように「迷っているんだね」と言われたら、泣かずにいられるでしょうか。私はそういうふうに言われたい。頑張れ、と言われたらきっと逆ギレしてしまうし(笑)。なんか、これってGabrielの記事を書いたときもこんなこと言ってたような気がしますけれど。最後を飾る「This Song」に、Scottがこのアルバムにこめた思いが集約されているように思いました。「This song is for all the problems, all the problems I cannot mend」愛、友達、夢…自分のそばにあるもの、これからやってくるもの、過ぎ去ってしまったもの、それらすべてに、Scottは自分の思いを語り、ときには激しくぶつけています。その思いの強さが、それぞれ個性豊かなこのアルバムの曲たちを、とっ散らかった仕上がりにしていない最大の要因かな、なんて思いました。ピアノの鍵盤を叩く、その一音一音から、強い思いが伝わってくるアルバムです。力強さとあたたかい優しさ、ちょいとセクシーな香りをまとった、大人の一枚ではないかと。マイスペPaul AbroさんやWAZさん(さん付けしたくなる)のアルバムも持っているので、いずれは記事にしたいなあと思っています。