首飛びまくり、武将絡みまくり:「首」
昨日「蟻の王」を見てきたのですが、おとといにはついに「首」を見てきました。公開してすぐ行こうと思ってはいたのですが、家人の入院あり、私の喘息もどきありで映画館に行くことすらできずにいたのです。公開数もずいぶん減ってきたので、今見ないとラストになりそうだということで、仕事納めしたその日の午後に映画館へすっ飛んでいきました。すっぱんすっぱんと首が飛び、血しぶきがあがり、あっさりと人が死にます。戦国時代と北野武の世界観、意外と合っちゃうかもなと思いました。加瀬亮さんの演じる信長が良かった!最初なに言ってるか全然わからないくらいの訛りでしたが、イっちゃってる信長、素敵でした。そしてエンケン!荒木村重が可愛く見えてきます。目をキラキラウルウルさせて「俺はお館様ひとすじです!」とか、西島光秀に「お前らいつからなんだ!?」とか…私はまさかエンケン村重と西島光秀がそういう関係で描かれると思ってなかったので、びっくりすると同時に思わず見入ってしまいました。北野秀吉とか小林家康とかがどう見ても信長より年上なんですが、それでも「ま、いっか」と思えてしまうのはなぜなのでしょう。勝村政信さんの斎藤利三めっちゃカッコよかったけど、そこで死ぬんじゃないと思う…と思いつつ、やっぱり「ま、いっか」と思えちゃう。なぜなのか。信長の最期ってそうじゃないだろと思いつつ、「これならアリかも」と思っちゃう。なんで?私は大河の「どうする家康」がどうにもこうにも受け入れられない派ですが、「首」は断然オッケー。なぜなのか。やっぱり、戦国時代の容赦ないエグさが描かれているからなのかもしれません。常に死を意識して生きる武将の、張り詰めた緊張感と、それによって少しずつ狂気に侵食されていっているかのような人物像が、私にはすごくはまりました。それに、お金かかっても合戦シーンはホンモノがいい。馬がたくさん!弓矢も鉄砲も火を噴くぞ!みんな泥まみれで戦って首をかっ切ってる!今回のはすごく良かったです。中村獅童さんの茂助は、ひたすらアホで汚くて狂ってて良かったです。貧しい農民だったはずなのに、ひとつの「首」に運命を狂わされ、別の「首」で命を奪われる。「首」の持つ魔力が描かれているなと思いました。興行的にイマイチとか書かれていたりもしますが、戦国モノ大好きな私には、とても面白く見ることがてきてよかったです。