新東宝ホラーの傑作!★「憲兵と幽霊」
邦画ファンの方々ならご存知の通り、1947年に東宝争議から分裂して設立された新東宝は、上映館の少なさなどから、ほどなく経営難に陥り、'55年に、無声映画時代の売れっ子弁士だった大蔵貢氏が社長に就任してからは、「観客を呼ぶには、大衆受けする怪談や、エロとグロで勝負せよ!」の方針で、良識派から「キワモノ」と眉をひそめられる映画を、低予算の中、自社の俳優のみを起用し、早撮りで量産しました。ところが、その「キワモノ」と蔑まれた作品の中には、今でもマニアの間で名作とあがめられているものが、数々あります。そのひとつが、きょうご紹介する'58年作品「憲兵と幽霊」です!憲兵と幽霊 [ 中山昭二 ]価格:2200円(税込、送料無料) (2022/7/21時点)楽天で購入昭和16年、憲兵隊中尉・波島(天知茂)は、軍の機密書類を謎の華僑に密かに手渡すという、スパイ行為に手を染めその罪を、新婚間もない同僚の田沢(中山昭二)になすりつけ、銃殺刑にさせた。波島は田沢の新妻(久保菜穂子)に前から目をつけていて、彼女と懇ろになるために、田沢を罠にかけて殺したのだ。どこまでも腹黒い波島は、息子を処刑され、病に倒れた田沢の母まで自殺に追い込み、絶望のどん底の田沢の妻を慰めるふりをして、酒に酔わせてむりやり肉体関係を結び、その一方で、謎の華僑の情婦で、クラブダンサーの紅蘭(三原葉子)とも恋のかけひきをする。ところが‥‥田沢の亡霊が波島の前に現れ、波島は逃げるように中国大陸に赴任するが、赴任の前夜、不可抗力で殺してしまった部下の亡霊にまで、襲われるはめに‥‥!怪談ですから、背筋がぞっとする場面も満載ですが、色っぽい場面もてんこ盛りの作品です!久保菜穂子が長襦袢姿で憲兵隊の拷問にかけられたり‥‥ヴァンプ役の女王・三原葉子が、グラマーな肢体を惜しげもなく晒して歌い踊ったり‥‥久保さんは健康的なグラマーだけど、三原さんは妖婦そのものですね。波島が追いつめられて逃げ込んだ外国人墓地で、墓石がギイイ~~とあがって、幽霊や骸骨が次々と現れるシーン‥‥中川信夫監督が得意とする、お化け屋敷の手法をとっていました。「東海道四谷怪談」「地獄」などの中川作品でも、この手法は随所に見られます。冷酷で計算高く、腹黒い憲兵役の天知茂は、のちの「東海道四谷怪談」の民谷伊右衛門役と重なりましたね。この天知茂という役者さん、のちのち、テレビドラマ「非情のライセンス」や「江戸川乱歩シリーズ」で、ニヒルな二枚目を演じ、モイラは大好きでしたが、!85年、くも膜下出血で亡くなりました。もっと活躍してほしい俳優さんだったのに‥‥とても残念です。「新東宝のキワモノ、エログロ映画なんて‥‥」と、眉をひそめる方々、一度、この作品をごらんになれば、目からウロコかもしれませんよ。★もっと新東宝映画!★【バーゲンセール】【中古】DVD▼女体渦巻島▽レンタル落ち価格:2087円(税込、送料別) (2022/7/21時点)楽天で購入【中古】 東海道四谷怪談/天知茂,若杉嘉津子,大友純,池内淳子,江見俊太郎,中川信夫,大蔵貢,鶴屋南北 【中古】afb価格:3740円(税込、送料別) (2022/7/21時点)楽天で購入女王蜂の怒り [ 久保菜穂子 ]価格:2475円(税込、送料無料) (2022/7/21時点)楽天で購入dbb55.a2576bce.03edbb23.dfa1c097/" target="_blank">