今も聞こえる「怨み節」‥‥★「女囚701号 さそり」
女子刑務所の内部を描いた、いわゆる「女囚もの」は、かつて新東宝などでも製作されましたが、1972年のこの東映映画ほど、観る側にインパクトを与えた作品はないでしょう!その映画とは‥‥「女囚701号 さそり」!女囚701号 さそり(期間限定) ※再発売 [DVD]女子刑務所で、ひたすら脱走の機会をうかがう女囚701号こと、松島ナミ(梶芽衣子)‥‥彼女は操を捧げた恋人の刑事・杉見(夏八木勲)に麻薬取引の囮捜査に利用されたあげく、ヤクザに輪姦され、ぼろキレのように捨てられた。逆上したナミは、杉見を殺しかけて刑務所に送られたのだ。憎んでも憎みきれぬ杉見への復讐心に燃えるナミだが、脱走に失敗し、両手を後ろで縛られ、芋虫のような格好で懲罰房に入れられる。やっと懲罰を解かれた頃、殺人罪で入ってきた進藤梨絵(扇ひろ子)という女囚が、ナミと同様、ほかの女囚と肌が合わず、筋金入りの女たちから罠をかけられるが、ナミがそれを見破り、梨絵を助ける。その騒動で、豊満な肢体と凄みのある美貌で、刑務所内で幅をきかせていた政木(三原葉子)が、鬼のような刑務所長(渡辺文雄)の片目をガラス片で刺す事件が勃発!所長は女囚たちに「閻魔落とし」という、穴を掘ってまた埋め、また掘るという、まったく生産性のない拷問のような懲罰を下す。疲れきった女囚たちは、日ごろの鬱憤が一気に爆発し、暴動を起こす。その時、ナミを襲う銃弾!杉見はナミを殺すべく、刑務所にまで刺客を送り込んだのだ!女囚たちの暴動の混乱に乗じて、ナミは脱走に成功。平凡な女だった自分を囚人にまで落とした憎い杉見を追いつめていくのだった‥‥!原作は篠原とおるの人気漫画。日活の「野良猫ロック」でズベ公を演じた梶芽衣子が、自分を利用し、裏切った男への復讐心に燃える女囚を、上手に演じていましたね。セリフは少ないのですが、持ち前のクールな美貌と、ミステリアスな雰囲気を最大限に使って、松島ナミになりきっていました。この映画、まるで梶芽衣子のために作られたのかと思うくらいです。歌手の扇ひろ子も、他の女囚たちとの喧嘩で、ド迫力の演技を見せていましたね。「本物の殺しってもんを見せてやろうじゃねえか!」のドスのきいたセリフ、今でもよく覚えてます。渡辺文雄もさすがベテラン、残忍な刑務所長役がなかなか堂に入っていました。冒頭、刑務所長が表彰を受けた矢先、脱走を知らせるサイレンが鳴り響き、刑務官たちが日の丸の旗を踏みつけて走り、日の丸が泥だらけになるところなどは、権力の象徴への抗議なんでしょうね。なかなか皮肉が効いています。ナミが杉見に操を捧げ、利用され、裏切られる場面で、小劇場の演劇のようなセットを使っているのもユニーク。女囚ものにありがちなキワモノめいた部分がないわけではありませんが、それを埋めてあり余るエンターティメント性、シナリオの展開の面白さ、的確なキャスティングを見せてくれる秀作です!監督は伊藤俊也。まだご覧になっていない方は、ぜひご覧あれ!★もっと梶芽衣子★新品北米版DVD!<『修羅雪姫』『修羅雪姫 怨み恋歌』セット> 梶芽衣子主演, 藤田敏八監督作品女囚さそり 第41雑居房 [DVD]【中古】 劇場版 女囚さそり けもの部屋 /梶芽衣子,成田三樹夫,李礼仙,渡辺やよい,南原宏治,篠原とおる,伊藤俊也,松田寛夫 【中古】afbにほんブログ村