カテゴリ:独断と偏見に満ちた映画評
60年代、東宝がオールスター・キャストで製作、大ヒットした「太平洋の嵐」に続いて放った戦争大作「太平洋の翼」('63年)‥‥!
[DVDソフト] 太平洋の翼 日米開戦から3年、国力の圧倒的な差で、日本の戦況が著しく不利になりつつあった昭和19年、 軍部はラバウル、フィリピン、硫黄島で、激戦の果てに疲弊しつつあった優秀な海軍将校3人(加山雄三、佐藤允、夏木陽介)とその部下たちを、 敵の目を欺きつつ、本土松山に帰還させ、 零戦を凌駕する新型戦闘機”紫電改”の乗り手とさせ、本土防衛の任を負わせた。 しかし、戦況はますます悪化。血気盛んな若き将校たちは玉砕を望むが、 新しい航空隊の総責任者・千田司令(三船敏郎)は、血気にはやる若者たちを制するのだった‥‥ 前作「太平洋の嵐」よりは、キャストがやや小粒で、スケールも全体的に狭いけど、 どうしてどうして、迫力満点の大空中戦は見ものです! 特技監督はもちろん世界の円谷英二大先生! 戦闘機がぐいーーーんと急降下、宙返りするところなんぞは、今のCGに負けず劣らず、否、それ以上のリアリティがありました。 ラバウルから脱出するために、佐藤允をリーダーとした航空隊が、 アメリカの駆逐艦を強奪するシーンは、とても痛快で明るさに満ちていました。 ただ、キャスティングにちょっと問題がありましたね。 やたら玉砕を望み、日本中の苦悩をひとりで背負いこんでるような暗~い顔の将校役に 加山雄三はあまり似合っていません。 まあ製作が東宝だから、若大将シリーズで超売れっ子だった彼を起用するのはしかたなかったんでしょうね‥‥ 軍部の偉いさん役に三船さんというのは、まあお約束。 夏木陽介はいつも通り、限りなく大根に近いし‥‥ 唯一の女性出演者・星由里子に至っては、「あんた何のために出てるの?」と言いたくなるほどで‥‥ 際立っていたのは、底抜けに明るい部下役の渥美清。 この人、加山、夏木、佐藤はもちろん、三船さんまでも食っていました。 のちに「寅さん」シリーズで主役を張るのも、わかります。 監督は海軍従軍経験者・松林宗恵。脚本は練習機を何台も壊し、敗戦の原因を作った(嘘です)という逸話のある元日本兵・須崎勝弥氏。 実戦のすさまじさを肌でご存知のお二方の息がぴったりあっています。 [DVDソフト] 太平洋の鷲 三船敏郎/連合艦隊司令長官 山本五十六 【送料無料選択可!】連合艦隊 / 邦画 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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