カテゴリ:独断と偏見に満ちた映画評
「仁義なき戦い 頂上作戦」は、シリーズ5部作の中でも、
うまく言えないのですが、最も「男臭かった」という印象が否めません。 【23%OFF!】仁義なき戦い 頂上作戦(DVD) 昭和38年、日本は高度経済成長期に突入し、 国民がかつて敗戦の憂き目を見て貧しかった頃、いざという時に頼りにしていたヤクザたちが、 抗争を重ね、一般市民にまでその巻き添えを食わせるようになると、 彼らを「社会悪」と位置づけ(それはそれで全く正しいのです)、一斉に排除する動きに出始め、 マスコミもまた、暴力団を盛大に叩くようになった。 そんな「逆風」が吹き荒れる中でも、広島では神戸の2大暴力団・明石組と神和会の代理戦争が繰り広げられていた。 明石組側には、いくつもの修羅場をくぐりぬけてきた広能昌三ひきいる広能組。 神和会側には、政治的手腕と要領の良さで広島一の大親分になった山守(金子信雄)ひきいる山守組。 しかし、続く抗争は裏切り者を次々と生み‥‥ この作品の菅原文太さん、始めから終わりまで苦悩がにじみ出ていましたね。 敗戦直後、裸一貫で極道としてのしあがったものの、 度重なる抗争で若い者は次々死なせる、 各組の政治的かけひきには、もともと政治が苦手なので、精神的に疲れ果てる、 挙句に、暴力団取締りを強化した警察に別件逮捕され、 いい年になって3度目のムショ入り‥‥ 外は雪が降りしきる冬の拘置所の廊下でつぶやく台詞が、ぐっときます。 「間尺に合わん仕事したのう‥‥」 当たり前すぎて書くのも恥ずかしいけど、ヤクザなんてものは、本当はいないほうがいいんです。 主人公・広能自身もそのことをよくわかっていたと思います。 この人は別にヤクザになりたくてなったわけじゃないのですから(参照・1作め)。 しかし、広能のように暴力に訴えなければ生きていくこともままならない社会矛盾が、 平成の世になってもまだ存在するのですから、 警察の暴力団壊滅作戦がどれほど功を奏するか、正直疑問です。 一切の抗争に関わらず、中立の立場を守ろうとして苦悩する博徒の大親分役・小池朝雄が めっちゃシブかったですね。 あの独特の野太い声を聞くだけで、胸がドキドキしちゃいます。 文太さんと真っ向から対決しようとする武田役の小林旭も、惚れ惚れするほどかっこいい! モイラは、日活アクションで活躍していた時のアキラより、東映移籍後のアキラのほうが好きですね。 明石組幹部・梅宮辰夫も貫禄十分でした。 梅宮さん、東映のニューフェイスとしてデビューしたての頃、 当時既に大スタアだった小林旭に、深々とお辞儀をして自己紹介をしても、 「ウメミヤ?知らねえなあ‥‥」と、軽くあしらわれたそうですね。 今ではお二方とも大御所ですが。 今の若い人はとても信じられないでしょうが、 デビューした頃の梅宮さんは、二枚目の好青年として売り出していて、 目を見張るほどの美形です。 モイラは高校生の時、テレビで放映していた「遊星王子」の主役の美青年を見て、 「この人、誰?」と、横に座っていた亡母に尋ねたら、 「えッわからない?梅宮辰夫じゃないの」と答えるので、 「うっそー?! この美青年があの太ったおっさん(失礼!)?!」と、 仰天して素っ頓狂な声をあげた覚えがあります。 ‥‥しかしまあ、昭和の「仁義なき戦い」シリーズは、東映スタア俳優のみならず、 金子信雄、小池朝雄、内田朝雄といった個性的な演技派も顔を揃え、 まさにため息が出るほどの豪華キャストが、映画ファンを十二分に愉しませてくれましたね。 【Aポイント+メール便送料無料】仁義なき戦い テーマ・コレクション (CD) 【ポイント8倍】送料無料!!仁義なき戦いサントラ 《送料無料》(オリジナル・サウンドトラック) 菅原文太主演作品 ベストセレクトvol.2/仁義なき戦い(CD) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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