カテゴリ:独断と偏見に満ちた映画評
こんにちは、映画狂のモイラでございます。
きょうの名画は、渡哲也主演、深作欣二監督の「仁義の墓場」‥‥ 実在したやくざの一生を描いた、超ド迫力の、ある意味キ○ガイ映画です。 敗戦後まもない昭和21年、新宿の闇市では、 4つの一家が縄張りを争っていた。 その一つ、河田組には血の気のやたら多い石川力夫(渡哲也)という若者がいて、 彼は敵対する組の若い者を徹底的に痛めつけ、あわや抗争というところに‥‥ 今では温厚な老人の役ばかり演じている渡哲也が、 とんでもなく無鉄砲で破滅型のやくざを演じているのが、見ものです。 渡さんに衝動的に犯され、のちに彼の情婦(晩年は妻)となる地恵子役の多岐川裕美も、 病弱でとことん薄倖な女を、上手とは言えませんが、リアルに演じていましたね。 この映画、キャスティングがとんでもなくすごい。 まずは、梅宮辰夫、山城新伍、成田三樹夫、安藤昇、田中邦衛、今井健二、室田日出男、池玲子といった、 東映やくざ映画ではおなじみの顔から、 ハナ肇、演劇集団「円」の三谷昇、日活ロマンポルノの芹明香他なんですから、 東映映画ファンは勿論のこと、邦画ファンにはこたえられません! しかしまあ、この映画の渡さん、もうほんとにキ○ガイですね。 最初に杯を交わした親分はドスで刺すわ、 抗争の時に逃げ込んだ一軒家の娘・多岐川裕美さんを無理やりに犯して情婦にして、芸者置屋で働かせるわ、 肺を患っているのにペイ(ヘロイン)中毒にはなるわ、 少年刑務所時代の仲間で兄弟分だった梅宮辰ちゃんをドスで殺すわ、 挙句には、敵対するやくざどもに、ナマスのようにドスでブスブス切り刻まれても、しぶとく生き延びているわ‥‥ まったく、石川力夫という男は大した男、いやいや究極の破滅型だったんですね。 今もやくざ史に彼の名が刻まれているの、よーくわかります。 あまり気に観れる作品じゃありませんね。どっちかって言うと、どっしり構えて観ないといけない一作です。 脚本は、「新・ハレンチ学園」、「さらば、わが友 実録大物死刑囚たち」の鴨居達比古氏。 津島利章の哀愁あふれる音楽も心に響いたし、 仲沢半次郎のカメラ・ワークも迫力がありました。 にほんブログ村 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jul 30, 2023 08:06:39 AM
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