カテゴリ:独断と偏見に満ちた映画評
こんばんは、映画狂のモイラでございます。
今宵は夜の銀座の人間模様を描いた大傑作 「女が階段を上る時」を、ご紹介いたします! 未亡人の矢代圭子(高峰秀子)は、銀座の高級バーの雇われマダム。 和服がよく似合う佳人で、客あしらいも天下一品。 そんな圭子目当てに、一流銀行支店長の藤崎(森雅之)、 大阪の大旦那・郷田(中村雁治郎)、 プレス工場の社長・関根(加東大介)などが店にやってくる。 しかし圭子はいつもオーナーから、もっと売り上げをあげろとせっつかれ、 おまけに自分の元部下だったユリ(淡路恵子)の店に お客をどんどんとられてしまう。 そんな折、圭子は酒の飲みすぎで、店で血を吐いて倒れてしまうのだった…… 一見、とても華やかに見える銀座六丁目の夜の蝶たちの素顔や 彼女たちと客の男たちとの人間模様を、 名脚本家・菊島隆三先生(モイラの大学時代の恩師です)が 鋭くえぐるように描いていますね。 菊島先生オリジナルの書下ろし脚本です。 実はモイラ、たった一度だけ、とある映画監督のセンセと、そのとりまきに 銀座六丁目の高級クラブに、連れていってもらったことがあるんですよね。 そのクラブのホステスさんたちの服装の華やかさに、まずびっくり。 次に彼女たちの接待のうまさに、びっくりしました。 ホステスさんたちは。見たとこ殆どが30代前半の年頃でしたが、 お客にお酒を注ぐタイミングとか、たばこに火をつけるタイミングとか、 それはもう上手なんですよね。 「ああ、これがいわゆるプロの女性たちか……」と、つくづく感心したものです。 モイラなんかとても真似できません。 ちなみに同じ映画人でも、モイラの亡父はそういう場所には殆ど行かず、 もっぱら家で静かに晩酌をしていましたね。 閑話休題。 この映画にはいろんなタイプのホステスが登場しますが、 一番印象に残っているのは、ホステスに生まれついたような純子(団令子)ですね。 マネージャーの小松(仲代達矢)に好意を寄せ、身体を許したあと、 「私はプロですもの。好きな人からだって(お金を)いただくわ」と お金ちょうだいのポーズをとるところなんか、ほんとに可愛かった。 マダムの圭子を、どうにかモノにしようとする男たちの様子も、面白かったです。 監督は、サイレント時代からの名匠・成瀬巳喜男。 女を撮らせたら天下一品の名監督です。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Apr 8, 2020 10:30:58 PM
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