カテゴリ:独断と偏見に満ちた映画評
こんばんは、映画狂のモイラでございます。
今宵の名画は、2005年度のキネマ旬報ベストテン1位、 ブルーリボン賞作品賞、 毎日映画コンクール最優秀作品賞などに輝いた名作「パッチギ!」です。 1968年の京都。府立東高校2年生の康介(塩谷瞬)は、 敵対する朝鮮高校とのサッカーの試合を申し込むために 担任に言われて渋々朝高に出向くが、 そこの音楽室でフルートを奏でていたキョンジャ(沢尻エリカ)に、一目惚れしてしまう。 しかし、そのキョンジャの兄は、朝高で番を張っている悪名高いイ・アンソン(高岡蒼佑)だった……! 兄が恐ろしい朝高の番長だと知っても、キョンジャと仲良くなりたい康介が、 片言の韓国語と、キョンジャが奏でていた韓国の有名なフォークソング「イムジン河」を ギターで必死に覚えようとする姿が,とても健気でしたね。 これぞ初恋の強さです…… 在日の番長役の高岡蒼佑も、名演でした。どこから見ても「不良」の二文字が漂ってたもん。 キョンジャを演じた沢尻エリカも、愛らしく、初々しかったですね。 それなのに、のちにMDMA所持容疑で逮捕……! なんてばかなことを! 勿体ないです、ほんとに! パッチギは韓国語で、「突き破り」あるいは「頭突き」という意味。 主人公の康介が民族の壁を突き破って、在日のキョンジャと恋仲になろうと奮闘する物語を、 この一言で言い表しています。めっちゃいいタイトルです。 ロケはオール京都。 音楽は京都出身で、ザ・フォーク・クルセダーズの一員として「イムジン河」を歌った加藤和彦。 (「イムジン河」は発売中止になっちゃいましたが) 加藤さん、この映画の公開から4年後に、自殺しちゃいましたね…… いい仕事してた人なのに、勿体ない!! この映画、出演者が全員在日だったら、 もっと面白くなったんじゃないかと思いますよ。 台詞のやりとりも半分以上韓国語で、日本語字幕が出てたりしたら、 それはディープな作品が作れたかと思います。 監督は、「ガキ帝国」「のど自慢」などの井筒和幸。 鋭く斬り込むような映画評論でも有名な方です。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Apr 10, 2020 10:52:36 PM
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