カテゴリ:独断と偏見に満ちた映画評
こんばんは、映画狂のモイラでございます。
今宵お届けする名画は、’67年の東映の大作映画「大奥(秘)物語」の続編、 「続・大奥(秘)物語」でございます。 天明6年(1786年)、町娘おちさ(小川知子)は若年寄阿部主水正(小沢栄太郎)の養女となり、 十代将軍・徳川家治(三島雅夫)のお手付中臈に選ばれ、夜毎愛された。 そのため、おしの(桜町弘子)、おこと(緑魔子)、おふで(万里昌代)ら他の中臈から嫉妬された。 特に旗本の娘おしのは、元は町方の娘おちさを「下賤の者」と見下し、 彼女への敵意を露わにしていた。 家治はそんなおしのが疎ましくなり、護衛書院番遠藤に拝領妻として遠ざけた。 それから数か月後、家治はおちさとのまぐわいの最中に急死してしまった。 おちさたち中臈は、家治の葬儀が済むと、虎の門養生所に入れられ、 懐妊の兆しがあるかどうかを調べられ、それがないと戒名が与えられ、 比丘尼屋敷という尼寺へ移され、一生将軍の供養をして暮らさねばならなくなった。 おちさたちは、比丘尼屋敷で権力をふるう京出身の英法尼(東山千栄子)の下で 写経と読経の日々を送るのだが…… いくら将軍のお手付中臈だったからという理由だけで 尼寺へ閉じ込め、将軍の位牌だけを拝む日々を送れだなんて……ひどすぎます! 将軍とのまぐわいで花開いた女ざかりの元中臈たちは 当然ながら、そんな男ッ気のまるでない幽閉生活に耐えきれず、 男僧と密会する者、煩悩を捨てきれず気が狂う者、おちさにレズ行為を迫る者が出てきます。 まさに、この世の地獄です…… 前作はオムニバス形式でしたが→詳しくはこちら この続編は、ひとつの物語におさまっています。 この続編も、前作に負けず劣らず、エロティシズムと女同士の火花の散らし合いが満載! 当時まだ18歳の小川知子の艶技も、観客の目を惹きましたが、 高慢で嫉妬深く腹黒いおしの役の桜町弘子の演技も、迫力満点でした。 モイラは桜町さんがこんな性悪女の演技ができる人だとは、思わなかったもん…… 実家の石高を上げてもらうだけのために、人身御供となったおこと役の緑魔子も 彼女独特の不思議な雰囲気を出していましたね。 この映画は最初、ヒロインのおちさ役がなかなか決まらなかったそうです。 藤純子や佐久間良子にオファーしたけど、「おちさ役がエロすぎ」という理由で断られ、 久保菜穂子に頼んでもダメ。 果ては他社の池内淳子、新珠三千代、岡田茉莉子にまで頼んだけど、ことごとくアウト。 ……で、前作で岸田今日子とのレズシーンを上手に演じた小川知子に 白羽の矢が立ったそうですよ。 それと、意地悪なおしの役は最初は嵯峨三智子がやる予定でしたが、 彼女があまりにもやる気を見せなかったので、監督の中島貞夫氏が怒ってしまい、 代わりに桜町さんが演じるようになったとか…… この映画では、十代将軍家治はやや悪相の三島雅夫が演じていて いかにも「ヒヒ爺」といった雰囲気でしたが、 実際の家治は文武両道の才人で、特に鉄砲の扱いがうまく、 能や絵画も得意としていて、しかも愛妻家だったそうです。 それなのに大奥で中臈たちをはべらせたのは、正室の倫子が女児ばかり生んでいたので 世継ぎを生ませるために仕方なく……だそうですよ。 この映画に興味を抱いた方は、今すぐレンタル店にGO!!です! にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 20, 2023 08:30:13 PM
コメント(0) | コメントを書く
[独断と偏見に満ちた映画評] カテゴリの最新記事
|
|