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Oct 12, 2020
カテゴリ：独断と偏見に満ちた映画評
こんばんは、映画狂のモイラでございます。
今宵お届けするのは、樋口一葉の短編小説映画化のオムニバス作品で、 今井正監督の「にごりえ」でございます。  独立プロ名画特選 にごりえ 【DVD】 町家の娘でありながら、その美しさゆえに華族の原田家の惣領息子に見初められ、 玉の輿に乗ったせき（丹阿弥谷津子）は、 一子太郎を生むと、すぐに夫に飽きられ、 日ごと、「お前は教養がない」「華族女学校も出ていない」などと夫に罵られ、 あまりの辛さに太郎を置いて、実家に戻ってしまった。 事情を聞いた母（田村秋子）は、憤慨して出戻りを許すが、 父（三津田健）は、「出戻れば、もう二度と太郎の母とは名乗れないのだぞ」と言い、 せきは泣く泣く婚家に戻る決意をし、父が呼んだ人力車に乗ると、 車を引いていたのは、なんとせきの幼馴染で元大店の若旦那の録之助（芥川比呂志）だった…… 一葉の珠玉の名作短編「十三夜」「大つごもり」「にごりえ」を、 それぞれ美しいモノクロームの映像で再現した文芸大作で、 キャスティングも、丹阿弥谷津子、芥川比呂志の他に久我美子、淡島千景、 長岡輝子、杉村春子、南美江、荒木道子、加藤治子、岸田今日子、 中村伸郎、山村聰、宮口精二、十朱久雄、仲谷昇、河原崎次郎・建三兄弟、 加藤武、神山繁、北村和夫、小池朝雄等々 映画ファン、新劇ファンなら惚れ惚れしてしまうほど豪華です！ 特に印象に残っているのは、第二話「大つごもり」の意地悪な大店の後妻役の長岡輝子ですね。 前妻が生んだ放蕩息子の石之助（仲谷昇）を疎ましく思い、ことあるごとに、 「お前のような道楽者を生んだ母親の顔が見たいもんだよ！」と、罵るのですからすごい！ 奉公人たちにも辛くあたり、２円の借金を頼んだ女中のおみね（久我美子）にも、 「２円貸せ？そんな約束なんかした覚えはないよ！」と、つっぱねる有様。 いかにも大店にいそうな人を人とも思わない女将さんを、それは上手に演じてました。 第三話「にごりえ」のヒロインお力を演じた淡島千景も良かったなあ…… 貧しさゆえに廓に身を沈め、朝之助（山村聰）という上客がつくも、 かつては上客だったが、お力に溺れた挙句、家業の布団屋を潰してしまい、 今は貧しい長屋暮らしをしている源七（宮口精二）との腐れ縁が断ち切れず、 鬱々とした日々を送っている薄幸な女を、熱演してましたね。 夫を責めたて、愚痴ばかりこぼしている源七の妻お初役の杉村春子も、名演でした。 脚色は、「また逢う日まで」「あにいもうと」の水木洋子と 「青い山脈」「めし」の井手俊郎。 この名作映画は、第27回キネマ旬報ベストテン第1位に輝いてます！  また逢う日まで [ 今井正 ]  【中古】 ひめゆりの塔 ／津島恵子,香川京子,岡田英次,今井正（監督）,古関裕而（音楽） 【中古】afb  独立プロ名画特選 ここに泉あり／今井正【中古】[☆3]  武士道残酷物語 [ 今井正 ]  にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう
Last updated
Oct 12, 2020 09:09:54 PM
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