カテゴリ:独断と偏見に満ちた映画評
こんばんは、映画狂のモイラでございます。
今宵ご紹介する映画は、新選組を題材にした作品の中でも、 際立って異色の作品と呼ばれた「幕末残酷物語」でございます。 幕末残酷物語 [ 大川橋蔵 ] 剣もろくに扱えぬ冴えない浪人・江波三郎(大川橋蔵)は、 一番隊長・沖田総司(河原崎長一郎)に頼み込んで、憧れの新選組に入隊した。 池田屋騒動以来、長州の幕府に対する反感は高まり、 新選組も非常態勢を敷き、隊員たちに厳しい規律を課した。 一、士道ニ背キ間敷事(武士道に背く行為をしてはならない) 一、局ヲ脱スルヲ不許(新選組からの脱退は許されない) 一、勝手ニ金策致不可(無断で借金をしてはならない) 一、勝手ニ訴訟取扱不可(無断で訴訟に関係してはならない) 一、私ノ闘争ヲ不許(個人的な争いをしてはならない) 右条々相背候者切腹申付ベク候也(以上いずれかに違反した者には切腹を申し付ける) 副長・土方歳三(西村晃)の下、厳しい掟と激しい訓練の日々を送る江波にとって唯一の慰めは、 館の女中さと(藤純子)との密かな恋愛だった。 そんなある日、江波ら新入隊士5人は、監察部・山崎蒸(内田良平)に呼び出され、 「お前たちの中には、坂本龍馬と内通する者がいるはずだ?!」と、詰問され、 「正直に名乗り出れば、武士らしく切腹を許す。誰も名乗り出なければ、5人とも処刑する!」 と、言われた。 当惑と恐怖で顔を見合わせる5人の中から、突然、相原源吾が短刀をかざして山崎に迫った。 間者は相原だったのだ。 山崎に組み伏せられた相原は直ちに処刑と決まり、 近藤勇(中村竹弥)は江波に、相原の首を斬れと命じた。 江波は恐怖に震えながら必死に太刀を振るうが、急所を外すばかりで、 処刑は残酷この上ないものとなった。 近藤から、「誰でも命令があり次第、首を斬らねばならぬ」と言われた江波は、 やがて隊の規律を乱した者の首斬りを、自ら買って出るようになるのだった…… この映画が製作される前までは、新選組はどちらかというと「英傑」「最後の侍」と言われ、 その名をたたえられたものですが、 この映画では、その新選組は「恐怖のテロリスト集団」「血の粛清の殺戮集団」として 徹頭徹尾、残酷に描かれています。まさに「残酷物語」です。 次々と行われる血の粛清の残酷さは、モノクロームの映像でも、 否、モノクロームだからこそ、それは生々しく描写されています。 名匠・加藤泰監督のクローズアップを多用した演出と、 カメラの鈴木重平の撮影技術は、それは見事なものでしたね。 ちなみに助監督は、のちに「トラック野郎」シリーズで脚光を浴びる鈴木則文です。 血の粛清を推し進める冷酷な土方歳三を、ヴェテランの西村晃が熱演していましたね。 労咳病みの剣士・沖田総司は、血色の良さそうな河原崎長一郎よりも、 高倉健が似合っていたかと、モイラは思います。 山南敬助は大友柳太郎が演じていましたが、 あまり印象に残っていませんね。そもそも大友氏って、大スタアのくせに台詞が下手すぎです。 新選組内部のあまりの残酷さに耐えかねて、組を抜けると叫ぶ河品隆介は、 木村功が抑え気味の演技で好演していました。 この頃はまだ初々しい新人の藤純子も、働き者で健気な娘役になりきってましたね。 興味を持たれた方は、今すぐレンタル店にGO!!です。 ブルーリボン脚本賞に輝いている作品だから、 置いてある店は、わりとたくさんあるはずですよ(??) 【中古】 男の顔は履歴書 /安藤昇,中谷一郎,伊丹一三,加藤泰(監督),林光(音楽) 【中古】afb 【中古】 真田風雲録 /中村錦之助,ジェリー・藤尾,ミッキー・カーチス,加藤泰(監督),福田善之(原作、脚本),林光(音楽) 【中古】afb 【中古】 緋牡丹博徒 お竜参上 /藤純子,嵐寛寿郎,菅原文太,加藤泰(監督、脚本),斎藤一郎(音楽) 【中古】afb 【中古】 風の武士 /加藤泰(監督),司馬遼太郎(原作),大川橋蔵,桜町弘子 【中古】afb にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Oct 13, 2020 10:53:04 PM
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