カテゴリ:独断と偏見に満ちた映画評
こんばんは、映画狂のモイラでございます。
今宵は、特撮マニアからはあまり評価されていないゴジラシリーズ23作め 「ゴジラ2000 ミレニアム」を、ご紹介します! ゴジラが北海道根室の海から出現した! ゴジラ予知ネットワーク(GPN)を主宰するゴジラの研究家・篠田雄二(村田雄浩)は、 彼の小学生の娘で助手のイオ(鈴木麻由)、 科学雑誌「オーパーツ」記者の一ノ瀬由紀(西田尚美)と共に ゴジラが発電所を破壊するのを見て、 「ゴジラは人間が作り出すエネルギーを憎んでいるのではないか」と、感じた。 一方、鹿島灘沖の日本海溝では、強い磁力を発する謎の岩塊が発見された。 その岩塊に新しいエネルギーの可能性を見出した危機管理情報局(CCI)の科学者・宮坂四郎(佐野史郎)は、 局長の片桐光男(阿部寛)に、岩塊の引き上げの許可をとった。 ところが岩塊は引き上げのさなか、自力で浮上し、 謎の飛行物体となって、やがて東京でゴジラと対峙することになるのだった……! まず、GNP主宰者の篠田と、娘イオ、記者の由紀とのやりとりが面白かったですね。 特にイオはまだ小学生なのに、父親が車に搭載した複雑そうな電子機器を巧みに操ったり、 GNPに都合の良いように由紀と契約を結ぶ担当者になったり、 料理などの家事も立派にこなすスーパー娘ぶり! こういう役は、例えばかつての安達祐実みたいな芸達者な子役が演じたら、 嫌味この上ないキャラになってしまうんですが、 ややボケッとした鈴木麻由が演じているから、とっても可愛く見えちゃうんです! 謎の飛行物体が東京に現れた時、スクープ欲しさに、逃げるどころか、 カメラ片手に物体に駆け寄ろうとする勝気な記者役の西田尚美も、いい演技をしていました。 だけど極めつけは、内閣官房副長官兼危機管理情報局(CCI)の片桐局長役の阿部寛! 「ゴジラを抹殺するのは、人間の思い上がりだ」と主張する篠田に対し、 「否、ゴジラは抹殺すべき敵だ!」という固い信念を持ち、 謎の飛行物体が占拠したタワービルの爆破を命じる際には、 篠田が調査データをパソコンに入力するために、まだビル内にいることを知っていて 「爆破しろ!」と言うのだから、冷酷非情というか、なんというか…… そんな役を、端正な顔立ちと長身の阿部寛が演じるのだから、 ひとつ間違えたら、とんでもなく嫌味なキャラになるところですが、 そこは役者魂の見せどころ、冷酷だけど味わいのあるキャラになってましたね。 篠田役の村田雄浩と宮坂役の佐野史郎の芝居のうまさは、言うまでもありません。 で、この作品、どこが特撮マニア受けしないのかというと、 まず、「ゴジラの外見が醜すぎる」ということだそうですね。 でもモイラは思います。「ゴジラは悪役なんだから、悪相でいいんじゃないの」と…… 次に、「出てくるメカがショボい」とのことですが、 フルメタルミサイルランチャーは、結構かっこいいと思いましたよ。 あと、金のカードをスキャンして、パスワードを入力しないと作動しないブラスト・ボムも なかなか見ごたえがあると感じました。 少なくとも、その1年前の1998年の米国版”GOCZILLA”よりは はるかに、はるかに素晴らしいです!(米国版”GOCZILLA”は、ひどすぎたよね……) 監督は「平成の本多猪四郎」とも呼ばれる大河原孝夫。 脚本は「あぶない刑事」シリーズの柏原寛司と、「ヤマトタケル」「ゴジラvsメカゴジラ」の三村渉。 特殊技術は鈴木健二。 ストーリー展開の先が見えない、上質なエンターテイメントに仕上がっています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Aug 6, 2023 07:10:17 PM
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