カテゴリ:独断と偏見に満ちた映画評
こんばんは、映画狂のモイラでございます。
今宵ご紹介する映画は、もう70年近く前の作品ですが、 グランプリ女優と呼ばれた京マチ子主演、 監督・吉村公三郎、脚本・新藤兼人の名作「偽れる盛装」です! 京都祇園の芸者君蝶(京マチ子)は、肉体美を武器に、 男から金を絞りとれるだけ絞りとり、その男を捨てると、すぐまた別の男を落とす凄腕。 その妹妙子(藤田泰子)は、京都市の観光課に勤める地味な娘。 そして二人の母きく(滝花久子)は元祇園の芸者だったが、 染色会社社長にひかされて二号となり、旦那大事と生きてきて、 旦那の死後も、旦那の実子(河津清三郎)が金の無心に来ると、 自分が営む芸者置屋・靜乃屋を抵当に入れてまで金を工面する、昔かたぎの義理固い女。 君蝶はそんな母に反発し、一層腕によりをかけ、金のなくなった美術商笠間(殿山泰司)を捨て、 薬問屋の一番番頭山下(菅井一郎)を落とすのだった。 そんな時、妙子は同僚の孝次(小林桂樹)と恋仲になるのだが、 孝次の母千代(村田知英子)は祇園の一流料亭の女将で、きくの元ライバル芸者。 きくを快く思っていない千代は、きくに「お宅とうちの料亭とでは格が違う」と言い放ち、 妙子と孝次との結婚話を壊そうとするのだった。 これには君蝶もド頭に来て、今度は千代の旦那で小料理屋を営む伊勢浜(進藤英太郎)を落とそうとするのだが…… 出だしからラストまで、京マチ子の魅力がてんこ盛りの名作でした。 芸者役なのだから和服姿もあでやかな京マチ子ですが、 伊勢浜と琵琶湖でデートする時の洋装も、目を見張るほど美しかったです! でも、何よりモイラの眼を惹いたのは、京マチ子が使っていたライター付きのシガレットケース! かっこよかったなあ……!! この映画を観た二十歳の頃のモイラは愛煙家で(今は煙草やめてますが)、 ライターやシガレットケースにもこだわりを持っていたので、 早速、映画で見たライター付きシガレットケースを煙草店等で探しに探しましたが、 どこにも売っていませんでしたね。ちょっとがっかりしました…… 京マチ子さん、煙草を吸う姿だけでも絵になっていましたね。あだっぽいというか、色っぽいというか…… 「ああ、こういう色気のある女になってみたい」と思わせる一作でした。 この作品は、溝口健二監督の名作「祇園の姉妹」の真似ではないかという批判もありましたが、 モイラは「祇園の姉妹」より、こちらの作品のほうが断然好きですね。 登場人物それぞれが、いかにも古い因習を捨てきれない祇園にいそうだし、 何より、新藤兼人氏のシナリオがよく練られていますから。 途中、ダンスホールの場面で「祇園ブギ」というマヌケな歌が流れるのが少し気になりましたが、 完成度の非常に高い名作映画ですよ!! 未見の方は、ぜひご覧あれ!! にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jul 3, 2022 01:03:42 AM
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