カテゴリ:独断と偏見に満ちた映画評
こんばんは、映画狂のモイラでございます。
今宵はかなり重いテーマの映画をとりあげます。 「樺太1945年夏 氷雪の門」です。 【中古】樺太1945年夏 氷雪の門 [DVD] 1945年8月、樺太西海岸の真岡町…… 関根律子(二木てるみ)を班長とする真岡郵便局の電話交換嬢たちは 戦禍を浴びないこの町で、青春を謳歌していた。 ところが、日本が太平洋戦争に負けた直後、その混乱に乗じて、 ソ連軍が日ソ不可侵条約を破り、樺太に攻め込んできた。 ほどなく、樺太全土に婦女子の強制疎開命令が出されたが、 交換嬢たちは疎開せず、局で電話をつなぐ職務を全うしようと、互いに誓い合った。 そして8月20日、ソ連軍は真岡に攻め込み、容赦ない艦砲射撃を開始し、 罪なき民間人を次々と殺していった。 真岡の町は火の海と化し、銃を持ったソ連兵たちが郵便局に近づいてくるのを知ると、 律子はポケットから青酸カリの瓶を出し、 居合わせた他の交換嬢たちも青酸カリを飲み、集団自決するのだった…… この映画は最初、東宝系で全国ロードショーとなるはずだったのですが、 当時、東宝・モスフィルムの合作にして日ソ友好映画である「モスクワわが愛」を作ったソ連が、 東宝での上映にクレームをつけ、 このままでは、「モスクワわが愛」の上映にも支障が出るし、何より日ソ有効関係を損ねる恐れがあると判断され、 仕方なく「自主映画」という形で細々と公開されたのです。 監督の村山三男氏は、「何も反ソ映画を作ったわけではない。戦争の悲惨さを伝えたかったのだ」と訴えたのですが、 聞き入れてもらえなかったんですね…… なるほど、この映画で描かれているソ連軍の樺太侵攻と民間人大虐殺は、 沖縄のひめゆりの塔と同様、決して忘れてはならない事実でしょう。 しかし、青酸カリで集団自決する交換嬢たちの死に顔が、あまりに美しすぎることに、 モイラは少々反感を覚えました。 これって……集団自決を美化してないか?! 「生きて虜囚の辱めを受けず」という、(おそらく)日本人特有の考え方が あたら若い乙女9人の命を散らせたのです。 ヒロインの律子も「死にたくない……」と言っていたのに、結局は死を選んでしまうのです。 モイラはキリスト教信仰上、自殺は許されないので、 もし彼女たちと同じ立場に立たされたら、 たとえ敵に捕まってレイプされようが何されようが、生きますよ。生き抜きます! 死は美しくなんかありません! 「戦後生まれのお前なんかに、真岡の乙女たちの気持ちがわかるか?!」と訊かれても、 「否、彼女たちは生きるべきだった。生きて戦争の悲惨さを後世に伝えるべきだった」と答えますね。 【中古】 ひめゆりの塔 /津島恵子,香川京子,岡田英次,今井正(監督),古関裕而(音楽) 【中古】afb 【中古】 人間の條件 DVD−BOX /仲代達矢,小林正樹(監督),五味川純平(原作),木下忠司(音楽) 【中古】afb 独立プロ名画特選 真空地帯 [DVD] にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Oct 28, 2020 07:58:16 PM
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