カテゴリ:独断と偏見に満ちた映画評
こんばんは、映画狂のモイラでございます。
今宵は、学徒出陣した海軍の予備学生たちの悲劇 「あゝ同期の桜」をお届けします。 あゝ同期の桜 [ 鶴田浩二 ] 昭和19年、大学生の白鳥(松方弘樹)、半沢(千葉真一)、南条(夏八木勲)、由井(村井国夫)、不破(蟹江敬三)は、 学業を投げうって、海軍の兵隊として戦地へ駆り出されることになった。 待ち受けていたのは、厳しい訓練の日々。 それが終わると、それぞれ専門職に振り分けられ、白鳥は飛行機の操縦、半沢は偵察の役を引き受けさせられた。 白鳥は、剣持大尉(高倉健)から飛行機操縦の仕方を一から教えられるが、 練習機はエンジントラブルで不時着してしまい、白鳥はケガがなかったものの、 剣持は片目を負傷してしまった。 そんな折、戦局はどんどん悪化し、白鳥ら学徒兵たちは上官から、特別攻撃隊に志願せよと命じられた。 特攻隊……それは飛行機に爆弾を搭載したまま敵の軍艦に体当たりする、二度と生きては還れない戦法だった! この映画、原作は海軍飛行予備学生による同名の遺稿集で、 まずキャスティングが豪華なんです! 松方弘樹、千葉真一,夏八木勲の他に、鶴田浩二、小沢昭一、西村晃、天知茂、 小池朝雄、高橋昌也、石山健二郎、藤純子、佐久間良子、三島ゆり子、三益愛子…… もう名前を見ただけで、頭がクラクラしちゃいますね。 次に、実写のニュースフィルムが数多く挿入されているのが、見ものです! 特撮ではなく、本物の戦闘機が、米国の戦艦に体当たりする場面が出てくるんですよ。 つまり、フィクションではなく、本当に人が死ぬ場面が写っているということです。 モイラ、この映画を最初、小学校5年生の時にテレビで観たんですが、 若くて、人生まだこれからっていう人たちが、特攻隊員として次々死んでゆく様子を見て それはもう泣きました。 そして、大学に入学してからもう一度名画座で観て、 この時も泣けましたが、同時に戦争に行かずに済む平和な世の中に生まれ、育ったことが、 どれほど幸せなことかを、つくづく思い知らされました。 特に泣けたのが、既に妻(佐久間良子)と赤ん坊がいる夏八木勲が、 旅館(?)で妻の真っ白なウエディングドレス姿を見せられ、 妻がそのドレスの裾をひきちぎり、「これをマフラーにして!」と渡されるシーン。 そして、次に印象に残っているのが、松方弘樹が父母と最後の面会をするシーン。 松方さんが両親に、「ここまで大きく育てていただき、ありがとうございました」と言うと、 息子が特攻隊員になったことを、初めは誇りに思っていた父(石山健二郎)が、 「こんなに早く別れると知っていたら、もっと別の育て方があったろうに…」と号泣する姿には、 もう涙、涙、涙です…… でも不満もあります。 軍医役の天知茂さんの出番が、あまりにも少なかったこと! 下士官たちから鉄拳制裁を受ける学徒兵たちを助ける役どころなのですから、 もっとたくさん出てほしかったな。 それと、せっかく小池朝雄という名優を使っているんですから、 彼の出番ももっと多くしてもらいたかったです。 監督は中島貞夫。 脚本は中島貞夫と、学徒出陣の経験の持ち主で「人間魚雷回天」(1955年 新東宝)などを書いた須崎勝彌。 余談ですが、須崎勝彌氏は兵隊時代、練習機を2機も壊したほどのダメ軍人だったと、 モイラの亡き父は語っておりました。 人間魚雷 あゝ回天特別攻撃隊 [DVD] あゝ予科練 [DVD] 【中古】 大日本帝国 /舛田利雄(監督),丹波哲郎,あおい輝彦,三浦友和,西郷輝彦,篠田三郎,関根恵子,笠原和夫(脚本) 【中古】afb にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Nov 4, 2020 10:39:37 PM
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