カテゴリ:独断と偏見に満ちた映画評
こんばんは、映画狂のモイラでございます。
今宵、お届けするのは、「二百三高地」「大日本帝国」に続く東映戦争三部作の三つ目 「日本海大海戦 海ゆかば」でございます。 明治37年、日露戦争の真っ只中、神田源太郎(沖田浩之)は、広島呉の連合艦隊旗艦「三笠」の軍楽隊に配属されてきた。 軍楽隊は軍艦の入出港や閲兵式等に吹奏楽を演奏する楽隊で、直接戦闘員ではないことから、 軍隊での立場は低いものだった。 その頃、東郷平八郎(三船敏郎)をはじめとする軍司令部は、 ロシア帝国のバルチック艦隊が、どの航路を通って日本に接近するか、考えあぐねていた…… 日本海大海戦については、既に1969年東宝の「日本海大海戦」(この時も世界のミフネは東郷平八郎役!)で詳しく描写されているので、 この映画では、連合艦隊司令長官・東郷の目線ではなく、一軍楽隊員の目線から、 戦争の壮絶さ、悲惨さを描いています。 配役は、時の海軍大臣・山本権兵衛役に丹波哲郎、 旗艦「三笠」艦長の伊地知彦次郎役に近藤洋介、 東郷の部下で作戦担当参謀の秋山真之役に横内正、 軍令部長・伊東祐亨役に浜田寅彦、 第二艦隊司令長官・上村彦之丞役に稲葉義男、 そして、明治天皇役に平幹二郎と、 なかなかシブいキャスティングです。 他にも、佐藤浩市、宅麻伸、ガッツ石松、伊豆肇、二宮さよ子、永島暎子、 そして、今は自民党の議員になっている三原順子と、 個性派、演技派を揃えています。 監督・舛田利雄の演出も冴えわたり、 中野昭慶の特撮もなかなかのものでした。 ただ、わからないのが、どうして海軍下士官の沖田浩之が、娼婦の三原順子と恋仲なのかです。 当時まだ十代の三原順子は、己の人生に投げやりな娼婦をわりと上手に演じていたけど、 一体海軍の下士官と、どこでどうやって知り合い、恋仲になったのか、まるっきりわからない…… 男ばかりの戦争映画じゃ汗臭いから、女を入れたのかもしれませんが、 なんで娼婦じゃなきゃいけなかったの??一般女性じゃだめだったの?? あと、仲代達矢がナレーターをやってますが、 これが今一つ効果的じゃないんですよね。ただニュース映画みたいなナレーションをやってるだけで…… それと、戦争映画ファンの皆様なら当然ご存じのように 日本海大海戦では、帝国海軍はバルチック艦隊に圧勝したんですよ。 それなのに、海軍は敵艦隊の砲撃の雨あられを受けて、 兵隊たちの手足は吹っ飛ぶ、首から上はなくなるといった、 まるで負け戦のように描かれているのが、ちょっと不満。 まあたぶん、戦争の悲惨さを描いたつもりなんでしょうが、 それにしても、かの有名な東郷ターンが、きちんと描かれていなかったのはなぜ?? ちょっと納得できませんね。せっかく世界のミフネまで東郷役で出演させたのに…… ……とまあ、好き勝手なことを書かせていただきました。 この作品のコアなファンの方々は、どうかこのモイラをお許しください…… にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jun 16, 2022 01:07:51 AM
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