カテゴリ:独断と偏見に満ちた映画評
こんにちは、映画狂のモイラでございます。
モイラは今朝ネットで、 隆大介氏が亡くなったというニュースを見て、仰天しました。 まだ64歳(若すぎる!)だったんですってね……頭蓋内出血だったとか…… 隆大介氏は仲代達矢氏が主宰する「無名塾」の1期生で、 ’78年に「オイディプス王」で舞台デビュー。 ’80年に黒澤明監督の映画「影武者」で、織田信長役を演じ、 その年のブルーリボン賞新人賞に輝きました。 以降も主に時代劇を中心に活躍し、黒澤作品「乱」にも出演しました。 隆大介氏と言えば、映画ファンの多くは「影武者」の 南蛮の鎧とマントを着て、赤葡萄酒を飲む織田信長を思い浮かべるでしょうが、 モイラは違うんですよね…… モイラが隆氏の主演映画として強烈に印象に残っているのは、 ’82年の村野鐵太郎監督の「遠野物語」なんです! 明治37年、岩手県南部遠野郷の豪農・佐々木家の一人娘・小夜(原陽子)は16歳になり、 霊山・早池峰の麓の寺では、養蚕の神・オシラサマの祭りが執り行われた。 その夜、佐々木家では、旅の琵琶法師の乙蔵(仲代達矢)が招かれ、 「清悦物語」が朗々と披露されていた。 それを、佐々木家の門前に立ってじっと聴き入るのは、 かつては佐々木家に並ぶ豪農の息子で、小夜の許婚だった武夫(隆大介)だった。 武夫の家は今は没落し、それとともに小夜との婚約話も自然消滅していたが、 小夜は今でも武夫に想いを寄せていた。 武夫も決して小夜を忘れてはいなかったが、 「今では身分が違う」と、小夜に話しかけられても、すげなく顔をそむけるのだった。 やがて、日露戦争がますます激しくなり、 小夜には縁談が持ち込まれるのだったが…… モイラは日大藝術学部の学生の時に、この映画を渋谷のロードショーで観ました。 それも、当時仲良くしていた他の大学の映研の男の子と一緒に…… (あ、誤解のないように言っておきますが、その子とはただの友だちだったんですよ) 映像がとても、とても、とても美しく、幻想的な映画でした……!!! 遠野郷の農村の風景といい、オシラサマの祭りの様子といい、豪農のお屋敷のたたずまいといい、 いやあ~、幻想美の宝庫で、文句のつけようがありませんでしたね! 映画初出演の原陽子がヌードを披露するのも、見ものです! 他の配役は、江波杏子、藤村志保、滝田裕介、役所広司(若くてかっこいい!)、 峰岸徹、片桐夕子、川口敦子、井川比佐志、稲葉義男、葉山良二、菅井きん、 長岡輝子、北林谷栄などなど、すごい顔ぶれです! 哀感漂うシンセサイザーの姫神せんせいしょんの音楽も、実に効果的に使われていましたね。 一応原作は柳田國男の「遠野物語」と、阿伊染徳美の「わがかくし念仏」ですが、 ほとんど高山由紀子氏のオリジナルです。 DVDはレンタル・セルともに、あまり出回っていないようですが……(Amazonにはあります) 観て絶対、ぜーったい損のない名作ですよ! にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jul 24, 2023 09:24:48 PM
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