カテゴリ:独断と偏見に満ちた映画評
こんばんは、映画狂のモイラでございます。
今宵は、モイラの亡き母がまだ若い頃に観た、古いサイコホラー映画をお届けします。 「哀愁」「若草物語」「クォ・ヴァディス」などの名作を撮った巨匠マーヴィン・ルロイ監督の 「悪い種子(たね)」でございます! 主婦のクリスティーン(ナンシー・ケリー)には 夫のエリート軍人ケネス・ペンマーク(ウィリアム・ホッパー)との間に ローダ(パティ・マコーマック)という8歳の一人娘がいた。 美しいブロンドの髪と青い瞳のローダは、ピアノを弾くのが好きな、優雅で礼儀正しい優等生で、 クリスティーン夫妻の宝物だった。 ペンマーク一家が住むアパートの大家モニカ(イヴリン・ヴァーデン)も、可愛いローダを愛していて、 よく彼女にプレゼントをするのだった。 そんなある日、ローダが通う学校での遠足の時、 ローダと同じクラスの少年クロードが、桟橋から落ちて海で溺死した。 クロードの死は事故死と思われたが、彼の額に打撲痕があることや、 彼が学校のペン習字大会でもらった金メダルがなくなっていること、 そして事故の直前、ローダが彼と一緒にいたことが明らかになると、 クリスティーンはローダに疑いを抱き始めた。 さらには、クリスティーンがローダが大切にしている宝箱をこっそり開けてみると、 そこには、クロードがもらったはずの金メダルが……! この映画、元はブロードウェイの舞台劇で(原作:ウィリアム・マーチ) それを、ジョン・リー・メインが脚色しています。 モイラは中学生の頃、亡き母からこの「悪い種子」のあらすじを聞かされ、 それだけでブルっていたものですが、 長じて、この映画を名画座で観た時、いやあ~、もう怖くて怖くてたまりませんでした。 わずか8歳の、見た目はとても可愛らしい女の子が、 ちょっとした物欲や嫉妬心から、次々と人を殺すというストーリー展開が、 非常にショッキングで、とてつもなく不気味で……!! 舞台劇の映像化作品ゆえか、この映画のシーンの7割ほどが ペンマーク家の、中流家庭らしい、非常に洗練されたインテリアのリビングで、 残虐な殺人、流血のシーンなどは一切なく、 愛娘が恐ろしい殺人鬼かもしれないと疑う母親の心理描写を、ストーリーの主軸としていますが、 その苦悩する母親の様子が実にリアルで、それだけでとても怖かったですね…… そして、幼いサイコパス殺人鬼・ローダ役のパティ・マコーマックの演技のうまいこと!! 可愛らしい容姿と優雅な立ち居振る舞いで、周囲の大人たちを欺き、平然と人を殺す まさしく悪魔のような少女を、実に上手に演じています。 アカデミー助演女優賞にノミネートされただけのことはあります。 統合失調症(映画公開時は「精神分裂症」と呼ばれてました)を患っているけれど、 大人たちの中で唯一、ローダの悪の部分を知るアパートの清掃員リロイ役のヘンリー・ジョーンズも、 実に良い演技をしていましたね。 リロイが庭で一人遊ぶローダに、「あんたはいつかきっと電気椅子に送られる」と、不気味に囁くシーンは、 本当に鬼気迫るものがありました。 アレックス・ノースの音楽も、とても不気味で効果的したね…… わたなべまさこさんの漫画に、「聖(セイント)ロザリンド」という作品がありますが、 これも主人公は美少女のサイコパス殺人鬼でした。 わたなべさんは、きっとこの「悪い種子」をご覧になって、あの漫画を描かれたのだと思います。 何はともあれ、この「悪い種子」、怖い映画がお好きな方には超おすすめの一作ですよ! 否、「怖い映画はちょっと…」という方にもね。 【中古】 サイコ スペシャル・エディション /アルフレッド・ヒッチコック(監督),アンソニー・パーキンス,ジャネット・リー 【中古】afb 【中古】洋画DVD 羊たちの沈黙 特別編(ベストヒット50) シャイニング 特別版 コンチネンタル・バージョン [ ジャック・ニコルソン ] ローズマリーの赤ちゃん 完全版[DVD] / 洋画 にほんブログ村 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 2, 2022 11:23:19 PM
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