カテゴリ:独断と偏見に満ちた映画評
おはようございます。映画狂のモイラでございます♪
今日お届けする名画は、「子連れ狼」シリーズの第三弾 「子連れ狼 死に風に向う乳母車」でございます! 元公儀介錯人で、今は一殺五百両の刺客・拝一刀(若山富三郎)は、 今日も一子・大五郎(富川晶宏)を箱車に乗せ、 冥府魔道の旅に出ていた。 一刀親子は、廓に売られる我が身を嘆く田舎娘・お松(加藤小夜子)と同じ旅籠に泊まることになった。 そんな時、お松は自分をレイプしようとした女衒の舌を噛み切って殺し、 一刀親子の部屋に逃げ込んできた。 一刀がお松を匿った時、色町を仕切る忘八者の女元締・酉蔵(浜木綿子)が子分たちを引き連れてやってきて、 お松を引き渡すように言ったが、お松を哀れに思う一刀はきっぱりと断り、 彼女を自由の身にする代わりに、自分が忘八者の責め折檻である水攻めと「ぶりぶり」(逆さ吊りにして、竹の棒で何度も打擲する拷問)を受けようと言い出すのだった…… テレビ版「子連れ狼」の萬屋錦之介も殺陣が上手でしたが、 若山富さんの殺陣も、眼を見張るほどすばらしいです! 胴太貫を手にピューンと飛び上がって、もう一方の刀で相手の脳天をブスリと突き刺したり、 二百人以上の敵を、ものすごいスピードでバッサバッサと次々斬り殺したり…… よくあんな太った(失礼!)体で出来たものだと思いました。 中でもすごかったのが、大五郎を乗せる箱車の仕掛け。 紐を引っ張ると、雨あられのように飛んでくる矢を防ぐ鉄板(?)が、ズズっとせり上ってきたり、 手すりを外して組み立てると、薙刀になったり、 極めつけは、箱車の下部に、なんと連発銃が仕込まれていること! この連発銃で、敵の弓隊と鉄砲隊を、あっという間にやっつけてしまうんですから、 もう「お見事!」と言うしかありません! ふり髪(結わない髪)に男のような着流しに刀を差し、短筒を駆使する女侠客役の浜木綿子が、 また息を呑むほどカッコよかったですね。 あのきりりとした声で、男言葉の侠客特有の台詞を吐くのですから、たまりません。 浜さん、テレビ版の「子連れ狼」でも、同じ酉蔵の役をやっていましたよ。 酉蔵に依頼された殺しの相手で悪代官の猿渡玄蕃役の山形勲も、渋い演技をしていました。 この人、時代劇で悪代官役を演じたらピカイチですね。 かの黒澤作品「七人の侍」では、反射神経抜群の浪人(チョイ役)を演じてましたが、 モイラはそれが鮮明に印象に残っています。 ただ一ついただけなかったのが、真の武士道を探し求める渡り徒士役の加藤剛。 この人、髷を結うと、どうしてもモイラには大岡越前に見えてしまうんですよ。 雰囲気もなんというか優等生丸出しで、少しも流れ者役にハマってませんでしたね。 真の武士道を求める流れ者ならば、もっと冷徹で、少し崩れた雰囲気が出せる役者を起用するべきでした。 たとえば、誰かなあ……峰岸徹さんあたりかなあ……?? と、まあ、なんだかんだと勝手なことを書き連ねましたが、 今日はこのあたりで筆を置きたいと思います。 では、また明日! にほんブログ村 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jul 21, 2022 04:48:54 PM
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