カテゴリ:独断と偏見に満ちた映画評
こんばんは、映画狂のモイラでございます♪
今宵は、新東宝が総力を結集して製作し、大ヒットした「明治天皇と日露大戦争」の姉妹篇 「天皇・皇后と日清戦争」をご紹介します! 明治27(1894)年、朝鮮国内の甲午農民運動に端を発し、 朝鮮に出兵した日清両国の間に摩擦が生じ、 駐韓日本公使・大鳥圭介(丹波哲郎)は清国公使・袁世凱らと 京城(現在のソウル)で談判を重ねていたが、 交渉は決裂し、8月1日、遂に日本と清国は宣戦布告に至った。 アジアの大国・清国と一戦交えることに、苦悩する明治天皇(嵐寛寿郎)…… そんな天皇を影で支える昭憲皇后(高倉みゆき)…… そんな中、平壌(ピョンヤン)の激戦が始まり、日本軍は苦戦を強いられるのだった…… この映画の総指揮は、新東宝社長にして名プロデューサーの大蔵貢。 大蔵自身が原作を書き、それを館岡謙之助が脚色、 戦前から活躍していたアルチザン監督・並木鏡太郎が、メガホンをとっています。 キャスティングがまた、すごいんですよ。 アラカンや新東宝の看板女優だった高倉みゆき、丹波哲郎の他には、 沼田曜一、高島忠夫、藤田進、若山富三郎、中山昭二、宇津井健、 江見俊太郎、天知茂、細川俊夫などなど……! 高島さんはおばあちゃん子の若い農夫の役で、召集令状が来て、兵隊になるのですが、 出征して港でおばあちゃんと別れるシーンには、ちょっと泣けました。 天知さんは、テロリストの役で、ワンシーンしか出ていないけど、 あの冷ややかな美貌と鋭い眼光で、観客を魅了していました。 明治天皇役のアラカンは、前作「明治天皇と日露大戦争」の時と同様、 威厳に満ち満ちていて、笑顔ひとつ見せません。 何くれとなく心配を寄せる妻の昭憲皇后にさえも、 いたわりの言葉は口にしても、笑顔を決して見せないのですから 「うーん、これが帝というものか……」と、変に頷いたりしちゃいます。 皇后役の高倉みゆきは美しいけれども、ちょっと若すぎますね。 それと、皇后自ら、戦地に赴いて苦労している兵隊たちのために、 侍女たちと包帯を作ったというエピソードが盛り込まれていますが、 これは事実なのでしょうかね? それとも大蔵貢のフィクションなのでしょうかね? まあいずれにせよ、前作では出なかった皇后を出したことで、 女性客層を取り込むことに成功したわけです。 この大作、爆発的な興行成績を収めた前作には及ばなかったものの、 最終的な配給収入は1億8千万円以上を計上しました。 「戦争映画なんて……」と敬遠する方々に申し上げますが、 この映画、日清戦争の様子を克明に描いていて、歴史の勉強にもなりますよ。 ではまた。おやすみなさいませ…… にほんブログ村 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jun 13, 2021 09:11:45 PM
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