カテゴリ:独断と偏見に満ちた映画評
こんばんは、映画狂のモイラでございます。
今宵の名画は、1988年に起こった巣鴨子ども置き去り事件を題材にした問題作 「誰も知らない」でございます。 都内の2DKのアパートに、大きなスーツケースを2個抱えた福島けい子(YOU)と 息子の明(柳楽優弥)が引っ越してきて、 大家に、「夫は長期出張中で、子どもは明一人だけ」と挨拶した。 しかし、スーツケースの中には次男の茂(木村飛影)、次女のゆき(清水萌々子)が入っていた。 他にも京子という長女もいて、彼女は人目をはばかるように、 夜、こっそりアパートに来た。 けい子の4人の子ども達はそれぞれ父親が違い、 おまけに、学校や幼稚園にも通ったことがなかった。 引っ越した後しばらくは、けい子は昼間デパートで働き、 母のいない間は、長男の明が下の子らの面倒を見ていた。 ところが、新しい恋人ができたけい子は、アパートに帰らなくなり、 そこから子ども達だけの、誰も知らない生活が始まるのだった…… 母親からの送金が途絶えて、電気、ガス、水道などのライフラインがすべて止められ、 それでも生きていかなければならない、小さな弟妹たちの世話をしなければならない明が 実に健気でしたね…… 近所の公園で水道水を汲んだり、コンビニで賞味期限の切れた弁当を貰ったり…… 自分自身もまだ12歳の子どもなのに、投げ出しもせずに、頼れるお兄さん役をやっているのですから、 観客の涙を誘います。 弟のために十円玉や5円玉をかき集めて、カップそばを買ってくるシーンには、 ちょっと泣けましたね。 だけど、淡々とした演出と子ども達の台詞の少なさが、 この映画をお涙頂戴のメロドラマではなく、 孤独という名の現代社会の問題を考えさせられる佳作に仕立て上げています。 途中から出てくる、いじめによって不登校になった女子中学生・紗希(韓英恵)の使い方も良いですね。 それにしても上手だったのは、明役の柳楽優弥の演技でしたね。 彼はこの作品で、カンヌ国際映画祭にて、史上最年少 および日本人初の最優秀主演男優賞を勝ち取りました! 製作、編集、脚本、監督は、今は大巨匠の是枝裕和。 未見の方は、今すぐレンタル店にGO!!です。 にほんブログ村 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 22, 2022 12:10:55 AM
コメント(0) | コメントを書く
[独断と偏見に満ちた映画評] カテゴリの最新記事
|
|