カテゴリ:愛すべき(?)トンデモ映画
こんにちは、映画狂のモイラでございます。
今日は、キング・オブ・カルト=石井輝男監督が手掛けた大傑作 その名も……「徳川いれずみ師 責め地獄」を、ご紹介いたします! 時は徳川時代、人気のない真夜中の墓場…… 長襦袢姿の娘・由美(片山由美子)は、墓の一つを掘り起こし、 出てきた男の屍の腹を引き裂き、小さな鍵を探し当てた。 それは、由美の腰から下にがっちりとはめられた、鉄製の貞操帯の鍵だった。 由美は「これで女に戻れる…」と呟き、忌まわしい過去を回想するのだった…… 由美は死んだ両親が残した借金返済のため、与力である鮫島(田中春男)の口ききで、 大黒屋という大きな屋敷に奉公にあがった。 ところが……そこは柔肌に美しくも毒々しい刺青を入れられた若い女たちが 縄で緊縛されたり、逆さ吊りにされて鞭打たれたりしている 一度入ったら抜け出すことのできない、身の毛もよだつ超絶不気味な女郎屋だったのだ……! しかも由美は、冷酷で異常な性癖を持つ大黒屋の女主人お竜(藤本三重子)に 生娘特有の柔肌を気に入られ、昼夜となくねばっこく愛撫されるはめになった。 一方、まだ若いが腕の良い刺青師・彫秀(吉田輝雄)も、由美の柔肌に惚れこみ、 刺青を入れる時の痛さにあえぐ彼女の背に、美しい吉祥天女を彫っていくのだった…… モイラは日芸の学生の時、この映画を名画座のオールナイトで観たのですが、 メインタイトルバックで、磔にされた若い美女が、なんと局部に槍をブスリと刺され、 「ぎゃあああ~~~!!」と叫び、血がドバア~~~ッ!!という場面でもう、 「あっ、これはかなりフツーじゃない映画だな⁈期待できそう!」と、身を乗り出しました。 そして…その期待は見事に的中しました! 女郎屋の女たちの刺青やアブノーマルな行為、 なぜかいつも顔を白塗りにし、唇に紅をつけた与力鮫島のこれまたアブノーマルな風貌、 (邦画界の名脇役の田中春男さん、よくこんな役を演じたものです!) 彫秀の見事な刺青の腕前を嫉妬する先輩彫師の彫辰(演じているのはモイラの大好きな小池朝雄さん!) どこまでも冷酷非道でアブノーマルで、由美に貞操帯をつけるお竜…… しかも、刺青を入れられた女たちは、時の将軍の御前でその艶やかな刺青を披露し、 刺青競演会なるものが開かれるのだから、すごいです! 鮫島が管轄する牢屋の女牢名主役の賀川雪絵(現・ゆき絵)さんも、 あの独特のドスのきいた声と凄みのある風貌で、熱演していましたね。 やがて、大黒屋や牢屋の刺青女たちの噂は、紅毛碧眼の異人の間にも広まり、 彼女たちは異人や中国人が多く住む長崎に送られるのですが、 怪しげな飲み屋や女郎屋が並ぶ、まるでカスバの迷路のような出島のチャイナタウン(?)が なかなかいい感じの異国情緒を発していました。(と、思うのはこのモイラだけ?) 異人のお偉いさんであるクレイトンの娘ハニー(ハニー・レーヌ)までも 恋人お鈴(橘ますみ)を自殺に追いやられた彫秀の恨みから 彼に馬車ごと誘拐、監禁され、全身に蛍光色(?)の刺青を彫られるのです。 この女優、ハニー・レーヌなんて名乗ってるけど、実は生粋の日本人で、 本名は山口摩里子。 高名な写真家・秋山庄太郎氏のヌード写真モデルだったそうです。 それとこの映画、あまりにも過激な描写が多いので、 最初に主役を務めるつもりだった由美てる子さんが、撮影の途中で失踪してしまい、 代わりに片山由美子さんが、主役を演じるようになったそうです。 脚本は石井輝男&掛札昌裕 エロチシズム満開の中でも、構成のしっかりしたシナリオに仕上がっています。 あと、映画の随所に流れる八木正生のおどろおどろしい音楽が、 観る側の恐怖感をかきたてています。 ただ、あまり体調の良くない時には、おすすめできない映画ですね。 ではまた! にほんブログ村 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Apr 29, 2023 04:34:48 PM
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