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May 5, 2023

特撮の神様ここにあり！★「ハワイ・マレー沖海戦」（1942年　東宝）

カテゴリ：独断と偏見に満ちた映画評

こんにちは(こんばんはかな？)、映画狂のモイラでございます。

本日お届けする名画は、山本嘉次郎監督（世界のクロサワの師匠ですよ！）がメガホンをとり、
特撮の神様・円谷英二大先生が特撮を担当している超名作
「ハワイ・マレー沖海戦」でございます！

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昭和11年、海軍兵学校の学生・立花忠明（中村彰）が休暇で帰省した時、
まだ十代半ばの従弟・友田義一（伊東薫）が、海軍に志願したがっているのを知ると、
義一の母つね（英百合子）を説得し、
翌年、義一は土浦海軍航空隊予科練習部に入り、
分隊長・山下大尉（藤田進）の下で厳しい訓練の日々が始まった。
そして昭和14年、義一は予科練を卒業して海軍飛行隊に入隊したが、
日中戦争の激化、ノモンハン事件勃発等、軍靴の音はますます高まり……

当時の大本営海軍報道部が企画した、いわゆる国策映画で、
冒頭で、”謹みて此の一篇をハワイ・マレー沖海戦に散華されたる護国の英霊に捧げまつる”
というタイトルがドーンと出てきます。
予科練での超厳しい訓練には、モイラ、観ていて驚きましたね。
霞ヶ浦での地獄のボート漕ぎ、激しい相撲、喧嘩顔負けのラグビー等々……
一番驚いたのは、生徒がみんなベッドではなく、ハンモックで寝るくだりです。
よくあんな不安定なもので眠れるものだと思いました。
そして朝起きる時は、ぱっと一斉に起き上がって、大急ぎでてきぱきと身支度をするのにも、感心しましたね。
映画や野球を観ている時以外は、いつもボケッとしてるモイラなどは、とても真似できません。

この映画、キャスティングも超豪華なんですよね！
義一の姉喜久子役に永遠の処女・原節子（本当にきれいな方ですよね）、
”皇国ノ興廃此ノ一戦ニ在リ　各員一層奮励努力セヨ”の命令で、
真珠湾攻撃に繰り出す空母の艦長役に、サイレント時代からの大スタア大河内傳次郎、
他にも、菅井一郎、田中春男、木村功、花沢徳衛、進藤英太郎、清水将夫、
二本柳寛、沼崎勲などなど、
邦画ファンにはたまらない顔ぶればかり！
それだけでも、観る価値のある映画です！！

そして、一番の見どころは……
円谷英二大先生の精緻にして迫力満点の特撮！！

真珠湾攻撃の際、戦闘機の群れが列を作ってブオ～～ンと飛び、
パール・ハーバーに停泊した敵艦や軍事施設を、ばこーん、ばこーんと次々と爆撃するシーンは
もう神業としか思えない！
よくもまあこんな精緻なパール・ハーバーのミニチュアセットを作ったものだと
感心しまくりましたね！
また、マレー沖海戦シーンでは、プールの底に溝を作って
そこにミニチュアの軍艦を結びつけたロープを這わせることで、
帝国海軍航空隊にドカンドカンやられて、徐々に海に沈む様子を見せております。

敗戦後、円谷先生はこの戦意高揚映画を作ったことで、
GHQによって公職追放処分を受けるのですが、
この映画のフィルムを押収したGHQは、
本物の戦争を撮影した記録映画だと、信じて疑わなかったそうです。

さ・す・が……円谷英二大先生！！

あ、映画とは関係ありませんが、大地震で被災された石川県の方々には、
心中お察し申し上げます。

★円谷英二大先生の映画です！★