カテゴリ:独断と偏見に満ちた映画評
こんばんは~! 映画狂のモイラでございます。 今宵ご紹介する名画は、風刺の効いたドイツのブラック・コメディ その名も……「帰ってきたヒトラー」でございます! 1945年4月30日に自殺したナチス・ドイツの総統アドルフ・ヒトラー(オリヴァー・マスッチ)は、 自殺直前の記憶を失った状態で、2014年のベルリンの空き地で倒れているのに気付いた。 ヒトラーは自分がタイム・スリップをしたことを知り、愕然となって気絶した。 そんな彼を介抱したキオスクの主人は、ヒトラーのことを、ヒトラーのそっくりさんだと思い込み、 彼をものまね芸人としてテレビ界へ売り込もうと思い始めた。 その頃、一旦は自分の製作番組の視聴率の不振でテレビ局を解雇されたプロデューサーのサヴァツキ(ファビアン・ブッシュ)は、 ヒトラーを見つけるや、彼を撮った映像を手土産にテレビ局に復職し、 彼をトーク番組「クラス・アルター」にゲスト出演させた。 そこでヒトラーは、持ち前の演説の巧みさを発揮し、彼のナチズム万歳の政治トークは、 視聴者から「最高のブラック・ジョークだ!」と称賛され、 彼は一躍テレビ界で大人気を得て、やがてYouTubeでも大活躍するのであった…… 日本もそうだけど、視聴率を稼ぐためにはなりふり構わないテレビ局の体質への痛烈な風刺が、ここかしこに込められていましたね。 皆がヒトラーを「そっくりさん」として笑いのネタにする中、 認知症を患ったユダヤ系ドイツ人の老婆だけが、 「こいつは私の家族をガス室送りにした極悪人だ!」と、 彼の正体をひと目で見破ったのが、痛快でした。 ヒトラーがユダヤ人に対して嫌悪感を抱くのを見たサヴァツキは、 彼が最初に現れたベルリンの空き地が、実は総統地下壕の跡地だったことを知り、 「この男はそっくりさんなんかじゃない。本物のヒトラーかもしれない」と思い始めるのですが……(ここから先は未見の方のために書きません) それにしても、ドイツの超黒歴史であるナチス・ドイツを題材にしたのは、「やるなあ……」と思いました。 ヒトラー役を演じたマスッチは、ヒトラーになりきるために、ヒトラーの名(今となっては迷)演説を暗唱し、 彼が大好きだったワーグナーのオペラの数々を観たというほどの入れ込みようだったそうです。 ブラックな笑いがお好きな方々には、実にもってこいの名作ですね! 監督・脚本はダーヴィト・ヴネント。 ドイツで大ベストセラーとなり、日本でも刊行された同名小説の見事な映画化作品です。 にほんブログ村 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jan 2, 2024 07:44:58 PM
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