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カテゴリ:ホテル日誌・事件簿
前回触れた、ホテルアルバイトのH君についてもう少し。
最近、第一では無いものの希望した企業から内定を得た彼は、大学4年生。 夜勤アルバイトで3年生になったばかりの彼が面接にやって来た時、正直Meiは “どうかな~~?” 社長が良いって言うんだから良いのだろうけれど、他ホテルで仕事経験のあるMeiに彼の髪型と話し振りは、イマドキ過ぎと言うかホスト系と言うか、チャラチャラ見えました。 昼・夕勤務のみの私と一緒に働く機会は、基本的にない。ただ、夜勤チーフのKさんによれば物覚えも愛想も良く、バイトとしては十分働いてくれるとの事。 H君に対する第一印象が大きく変る事の無いままだったある日、夕勤のバイトが足りなくてH君にお願い。仕事しながら、初めて彼とたくさん話をしました。 まず就活の調子について伺ったのが、二人が色々話をした最初だった気がします。 H君はいきなり 『僕はやりますよ!給料の高いところだけ狙ってます!』 ちょっとびっくり。 『そうなん?そういうところは、仕事もキツイかもよ?』 『ですよね~~。 でも頑張ります!僕、とにかく重役になりたいんです♪』 彼の希望は“○○業で働きたい”では無く、一貫して“重役になりたい”“金持ちになりたい” (でもナンバー2か3の器だそうで、起業したいとか社長になりたいとは言わない・爆) 真直ぐで小学生みたいな答え方に、思わず笑えてしまった。既に支配人やKさんから、H君はお金目的だから夜勤でも絶対辞めないと伺っていたけれど、噂通りじゃないですか(爆)! でも更に話してゆくと、彼の印象はガラリと変る。 『何でそこまで出世にこだわるん?』 『だって僕が貧乏したら、僕の奥さんも子供も皆貧乏するんですよ?!そんなの可哀想じゃないですか~』 彼のご実家は、岐阜市北部。神事関係の特別なお仕事をされていたお父様は、最近リストラ?希望退職?されて現在無職だそう。当然H君が通う私立大学の学費を払うのも難しい状態。 通学の為H君は名古屋市内で一人暮らしせざるをえませんが、生活費まで親に払わせられないから、バイトも高収入に限定して頑張っているとか。髪を切るお金も節約する為、毎回見習い美容師さんのヘアカットモデルをしている。(だからいつも斬新なスタイルだったのね・・・) 彼はお父様を尊敬しているし、実家に帰れば必ずお弁当まで持たせてくれるお母様にも言葉では表現できないくらい感謝している。 けれど、こんな生活は少し辛い。 大学院へ進みたくても、この経済状態では無理。同じ大学の先輩(※ホテルのバイトとしては後輩)、院生S君のお家はお金持ち。しかもS君は頭も良い上にモテるから、本当は凄く羨ましい。。。 H君はバイトにも絶対遅刻しないけれど、学校も休まない。どんなにノートのコピーを取らせてもらっても、出席だけは必ずする。 『だって、1回の授業料計算したら5000円だったんです!!』 はぁ~・・・・・ その台詞、学生時代のMeiに聞かせたかった。 『貧乏はダメっすね』 朗らかに笑うH君を見ると “そうかなぁ?” 第一H家レベルを貧乏とは呼ばないし、私だって貧乏したくはないけれど(←と言うか毎月十分パツパツ・笑)、目が届かずともキッチリ通学してくれるだけで、ご両親は彼を進学させた甲斐があったと思うよ。 こんな風に考えてるイマドキの学生って、きっと多くない。でも昔は大勢いらしたはず。 現在日本でも経済格差が広りつつあって、それが小学生の成績に反映され始めたと伺いました。非行の低年齢化も進んでいるとか。 でもH君みたいに愛情をたくさん受けて育てば、分別の付く年齢になった時かえって良い姿勢で学業に取組めるかも。 単に 貧乏=ダメ では無い。 Mei お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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