カテゴリ:コウノトリ
いよいよ手術の時間・・・
遠くの新生児室からは、新生児特有の甲高くて細い泣き声が聞こえてきて、もうすぐ私の赤ちゃんの泣き声も聞こえるんだ・・という嬉しさもこみ上げてくるけれど、やっぱりやっぱりそれより手術への恐怖が圧倒的に大きくて 以前にも書いたけれど、前回の帝王切開の手術の時、手術中痛くて痛くてずっと「痛い!」と叫びっぱなしで、途中から全身麻酔に切り替わったという経験があるのです 前回のお医者さんが下手だったから痛かったんだ、今回は大丈夫なはずと自分に言い聞かせたけれど、あの痛みを思い出すと・・ 心臓が飛び出しそうなほどドキドキしながら手術台にあがり、背中に麻酔を打たれました。 しばらくして、麻酔が効いているかの確認で「ここ痛い?」と聞かれながらお腹のあちこちをつねられるのですが、全然麻酔が効かず「痛いです」と答えると、麻酔を効かせるために頭を少し下げたり体を斜めにかたむけたりするのですが、やっぱりつねられると痛い。。 ずっと「痛いです」と答えていると、助手の先生の「痛いような気がしてるだけじゃないのか」とボソッと言う声ほんとに痛いんだってば そういいながらも、やっとつねられても感じないようになってきて、いよいよ手術開始 ちょっとして、先生が「これ痛かった?」と聞くので、全く何も感じなかったので「痛くないです」と答えると、「今のが手術で一番痛いはずのところだから、今のが痛くなかったらもう大丈夫だよ」と先生のありがた~い言葉 今のが全然痛くなかったら大丈夫だなんて、夢のよう 今回は楽勝だ~、わ~い赤ちゃんにもうすぐ会えると、頭の中はいきなり幸せいっぱい、やった~と思った瞬間、 「」 いきなりお腹に激痛が走り、思わず「痛い」と叫びました・・ そこからはもう地獄 普段は我慢強いねと良く言われる私なので、多分大げさに言ってるわけじゃないはず。 例えば歩いていて、思いがけなく足をぶつけたとき、思わず「痛い!」って言いますよね。 「痛い」って言おうと思って口から言葉が出るんじゃなくて、もうあまりの痛さに勝手に口から「痛い!」って言葉が出て止まらないのです・・ 私って麻酔が効かない体質なんでしょうか 内臓が開かれて中から取り出そうとしてるのが分かるんです それがもう言葉では表せない痛さ・・ 痛み止めの麻酔?なのか、腕に注射され、少し頭がぼ~っとしてきた感じがしたとたん、看護婦さんの「先生!血圧が下がってきてます。100です・・90です・・70です・・60です!」という声が遠くに聞こえてきて、「私もしかして死ぬのかも」とぼんやり思いました ところで、死ぬ間際にはそれまでの人生が走馬灯のように頭をめぐると言いますが、私の場合頭に浮かんだのは、子供のことでもなく、家族のことでもなく。 「あぁ、部屋の片付けしてないから、他の人に見られたら恥ずかしいな・・」でした 予定帝王切開の予定だったから、まさか今日手術になるとは思わず、手術の日までに片付けしようと思っていたのができてなかったんです。。 でも、死ぬかもと思う瞬間にそんなこと思うなんて、なんだか情けないですよね。 せめて子供のこととかを思い出したかった しばらくして、「血圧もどりました!」という看護婦さんの声とともに痛みがよみがえり、看護婦さんは「良かったね~」と私の手を何度もさすってくれるのだけど、良かったというか、突然よみがえってきた痛みで何が何だか分からない状態に そして「赤ちゃん出ますよ~」という声とともに、小さい細い泣き声が聞こえてきました ちゃんと泣いてくれた、やっと産まれたんだと、嬉しくて思わず涙が出そうになったのだけど、またまた激痛が そこからまたまた地獄の痛み 後で聞いた話では、前回の手術の影響で内臓の癒着が激しくて、その修復に時間がかかったそうです。 産まれた赤ちゃんのことより、昔切腹した人たちはどんなに痛かっただろうと、そんなことまで考えてしまいました かわいそうなのは、私の旦那サマ 手術室から延々と私の「痛い」という叫び声が聞こえてきて、生きた心地がしなかったそうです やっと、「手術終わります」という声が聞こえ、同時に私も脱力。。 意識が朦朧としてる中、部屋に移されました。 私は覚えていないのだけど、旦那サマが来て私に「大丈夫か?」と声をかけてくれたらしいのだけど、私が手術後一番最初に言った言葉は、「もう二度と産まない・・」だったそうです・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.05.07 16:21:33
[コウノトリ] カテゴリの最新記事
|