カテゴリ:コウノトリ
しばらくして目を覚ますと、寝ているベッドの前が窓になっていて、とてもきれいな青空が見えました。
そしてその窓の横には、座ってボ~っと空を眺めている旦那サマの姿。 旦那サマが空を眺めている姿なんて、結婚して初めて見たので、びっくりしてそのまま旦那サマを眺めてしまいました。。 しばらくしてやっと私が起きているのに気がついて、赤ちゃんは女の子、1890グラムで小さいけれど、自分で体温も維持できているし、元気に泣いているので心配ないと先生から説明を受けたことを話してくれました。 まだ私は一度も顔を見てなかったので、誕生直後に撮ったビデオを見せてもらうと、何とチビ太が産まれた時と顔がそっくり 口元がちょっと違うかなと思うけれど、黙って見せられたらチビ太なのか、今産まれたばかりの赤ちゃんなのか、どちらか分からないくらいそっくり チビ太みたいな顔の女の子になるのね、と笑ってしまったけれど、それより何より、体は小さいけれど元気だと聞いて、ほんとに安心しました。 麻酔が切れてきて、術後の痛みと後陣痛の痛みが出てきたところで、タイミングよく看護婦さんがきて、「痛みが出てきたんじゃない?痛みは我慢しなくていいのよ。痛み止めの注射を打とうか?」と聞いてくれて、『痛みは我慢しなくていい』という天使のような言葉に嬉しくなってしまい、注射をお願いしました。 すぐまた頭がボ~っとしてきて、ウトウト眠ってしまいました。 どれくらいたったのかしばらくすると、パタパタと足音が聞こえドアの開く音。 看護婦さんと旦那サマが何か話してる声が聞こえて、頭がボ~っとしていてうまく頭がまとまらないのだけど、 「赤ちゃんに低血糖の症状がでて、ミルクも飲めない状態。このままでいると赤ちゃんが弱ってしまうので、今から大きな病院に搬送します。もうすぐ救急車が来るのでパパが付き添ってください」と。 ぼんやりしていた頭が急にはっきりして、「すぐに行って!」と旦那サマに伝えると、旦那サマが急いで出て行きました。 安心していたのに急にこういう状況になり、不安でいっぱいで、ありとあらゆる悪い状態を考えてしまいました それから1時間半後、旦那サマからその後の連絡が入り、保育器に入ったこと、まだミルクの飲めない状態なので、状況によって鼻から栄養を送るため鼻にチューブを通すこと等説明と同意書を書いたとのことでした。 旦那サマが病院から帰ってきて、先生が撮ってくれたという写真を見せてくれました。 オムツ1枚で保育器に入って、鼻にはチューブ、体には何本も管や線が取り付けられて寝ている姿・・ 痛々しくて、見ていられないような姿だったけれど、まだ一度も実物の顔を見ていなかったから、かわいくてかわいくて、ずっと写真をながめていました。 検査の結果問題なければ、2000グラム以上になれば退院できるとのこと。 おそらく2,3週間の入院になるのではとのことでした。 正直、今すぐにでも病院に行って顔を見たい でも、私も手術したばかりで、管やら点滴やら体につけられ、ベッドから1歩も歩けない状態 気持ちばかり焦って、赤ちゃんに会いたい思いは大きくなっていくのだけど、何にもできなくて。 でもふと思いました。 「私に今できる最善のことって何だろう?」 体を少しでも早く回復させて、赤ちゃんに会えるようになること。 そのためには、ゆっくり休むこと。 何にもできなくて寝てるだけだと思ってしまうけど、でも寝てることが、今私にできる一番最善のこと。 赤ちゃんのことは心配だけど、一番最先端の医療を受けているんだ。 赤ちゃんも、今できる最善のことをしてもらっているんだ。 そう自分に言い聞かせていると、やっと落ち着くことができました。 『今私は自分ができる最善のことをしている』 この言葉は、ふっと頭に浮かんだ言葉だけれど、リウマチになって、しんどくて休んでいたりするときも「あれもできない、これもできない」と自分を責めてばかりいたけど、初めて自分が休むことを許せたというか、この言葉でずいぶん救われました。 気持ちばかり焦ってしまうけど、でも、自分の思うとおりに進むことばかりじゃなくて。 どんな状況でも自分ができる最善のことって何か?その最善のことをしていれば、ちゃんと物事は正しい方向にいくはず。 初めて心からそんな風に思えるようになりました。 休む自分を許せるようになったこと、これは私が得た大きな収穫でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.05.07 16:21:50
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