【粗筋】
酔って帰った熊さんが、翌朝迎え酒をやりたいと言い出したので夫婦喧嘩が始まる。家主が止めに入って、「長屋を開けるか夫婦別れをするか、どちらかに決めろ」と言う。熊さんが女房に出て行けと言うと、女房は仲人に話をつけろと言う。仲人の漢学の先生のところへ行くと、
「お前は酒の飲み方が下手だ。1升飲んでも2合か3合しか飲んでいないような顔が出来るように化けろ化けろ」
と、狐が玉藻前に化けたという話を例にして言い聞かせる。
熊さんは家に帰る途中で、友達の久さんが臨月のかみさんと夫婦喧嘩をしているのを見ると仲裁に入り、先生に聞かされた話を真似するが、もちろん目茶苦茶になる。
「とにかく、酒の飲み方が下手だ。お前も化けろ化けろ」
「酒じゃねえ。俺のところでは茶釜が錆だらけになっていたのが原因だ。茶釜の喧嘩だ」
「ああ、それじゃあ、狸が化けたんだ」
【成立】
「天災」とよく似ている噺。「化けろ化けろ」とも。