落語「し」の2244-5:しわい屋(しわいや):その5
【粗筋】 「うちではおかずを節約するために、梅干しだけにしました。朝回りをなめ、昼身を食べ、夜種をしゃぶった後、種を割って芯まで食べますから、一日一粒ですみます」「それは贅沢。私なら梅干し一粒で一月は持たす。十日は梅干しをじっと見て、口の中がすっぱくなったところで飯を食い、中の十日はしゃぶり、最後の十日で身を食べる」【成立】 素人は、梅干しを見るだけでつばがわくので一粒あれば一生、親子代々使えるというが、実際に食べないと味も忘れるから、本文のものが正しい使用法だそうだ。 もっと節約出来るのは「つかめず」、醤油を丼に入れ、よ~くなめた箸を醤油にさっと濡らし、よ~く水を切ってご飯をいただく。味は薄くなるが、醤油の量は減らない……これが続くことも。