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今日はちょっと禁を破ってマイセンネタを書くことにした。 私がこの頃日記を書かなくなったのは仕事のことを書かなくなったからである。 何しろ私の生活は毎日骨董、特に明けても暮れても「マイセン」であるから。 なぜ今日マイセンのことを書く気になったかというと 某インターネットオークションで「マイセンヘロルト(=Johann Gregorius Hoeroldt)のカップ&ソーサー、シノワズリ」を出品していた人がいたからである。 ヘロルトの特徴は豊かな色彩(彼は化学者でもあったから多くの顔料を創造した)と細部にわたった丁寧な描き方だと思う。そして彼の絵がすぐれたものであるのは素人にも分かると今まで私は思っていた。 この出品者はわざわざ博物館収蔵のヘロルトの作品と自分のカップ&ソーサーを並べて、私のC&Sは博物館収蔵品のようにすばらしいものと言わんばかりである。 このC&Sの拡大写真を見て私は瞬間的にこれは偽物だと判断した。 案の定マークの上を2本線で削ってある。これはマイセンが白磁の失敗品を安く売ったのである。それを買った人がその上に絵を描いたのである。工場外の絵付けで素人が描いたものでもうまい絵はあるが、この絵は雑でまるで素人が描いたみたいに下手だった。ヘロルトの絵を描くのにマイセンが2級品の素地を使うことなどありえない。 で、私は彼女に質問した。 この絵のどこがヘロルトですか? 私には下手くそな素人絵にしか見えませんが。 当然私の質問は無視され、削除された。 あとで彼女の経歴を見てびっくりした。 日本のT大学の美術史学科卒業、イタリア留学、イギリス留学、フランス留学を経てフランス在住、イギリスのM大学の学位、K大学の学位、ソルボンヌ大学院聴講などの華々しい学歴をこれでもか、と書いている。日本の最高峰の大学で美術を専攻して、「鑑定家」、「専門家」を名乗っている人の鑑定がこれ~~~??????? このページを知り合いの骨董屋さんに送り意見を聞いてみた。やっぱり彼女の意見も同じ、おまけに他に出品しているセーブル数点は「完璧」に偽物だと言った。 かわいそうにこの「才媛」は全然自分でもわかっていないみたい、インターネットで天下に恥をさらしているだけですね、との感想であった。 私はセーブルに関してはよく知らない。 偽物がすごく多い、ということしか聞いていない。 おまけにこの人は仕入れはコネを生かして貴族やコレクターから買い取ったそうである。 へ~~、へ~、おフランスの貴族というのは酔狂にもこんなガラクタを集めるのかね? バカじゃないかな、この人! 貴族が彼女に売買の仲介なんか頼むわけがないでしょ。 私の住んでいるドイツでは学歴詐称は確か刑法違反で刑罰の対象になる。 上にアップした写真はホンモノのヘロルトである。 彼女のヘロルト(写真を載せられなくて残念だが)とは似ても似つかない。 マイセンに関しては私はちょっと思うところがあって後日日を改めて書きたい、と思っている。明日から買い付け旅行に出るので当分は書けない。タイトルは「マイセンの真贋」の予定である。 なお、骨董に興味があってこのページにたどり着いた人、もし言いたいことがあるのなら私書箱のほうにメールお願いします。前回の通りすがりさんのような匿名での書き込みは礼儀違反ですので、しないでください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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