私はこの骨董の仕事に収入は別として満足している。自分の好きなことを仕事にしていると言う満足感がある。でも先日私の大学の後輩が某外資系企業の女性初の取締役に選ばれ、日経に名前が載ったというニュースが入った。彼女の出世はとてもうれしい、だけどどうしても私の心には「無念」のさざなみがたってしまった。学生時代もそのあとも回りの人も(自分自身も)Binchanは絶対キャリアウーマンになる、と思っていたのに、なれなかったから。
外資系企業は女性の能力を無駄にしない。大学を出てから勤めたドイツ系企業では私はあらゆるチャンス(ドイツに行ったのもその一つであった)に恵まれた。でもいろいろな事情があって私はそのチャンスをいかすことが出来なかった。チャンスはその後もいつでもあった、50過ぎて就職した日系企業で働くまでは。
この会社で私はそれこそぼろ雑巾のように扱われた。この屈辱は忘れない。今でもその後遺症か、日本人の男性は信用できないし、あまり商売はしたくない。ドイツからの撤退の際私はその日系企業の責任者に、今まで働いた日系以外の企業や団体は全部私の能力を高く評価してくれたのに、お宅の会社はなぜ私の能力をそんなに低くしか評価してくれないのか理由を言って欲しいと書面で質問した。返事はなかった。
今思うとこの会社に解雇されたことは私の職業人生の(ポジティブな)節目、いわば私が全く別の仕事にジャンプするための踏み台になったような気がする。ともかくこの日系企業が私の職業人生の最後にならなくてよかった、と思う。
昨日はちょっと遠出のオークションに行った。
ビッド見積もりが低すぎて買えなかった。遠くのオークションに行く時は買えなくても何がしかの報酬をもらう取り決めにはなっている。でも私は必ずしもそれを請求していない。
骨董のために働くのは苦にならないが、生活費を稼げないのはちょっとなあーーー。
それで私は考えた、生活費は副業で稼ごう!
で、去年までは「大家業」をやっている人のアシスタントみたいなことをやった。
私も大家になりたいけど、Katieさんと違って、ちょっと資金が~(涙)。
この人は自分のアパートを3軒所有して、他にアパートを18軒借りて、それを一週間単位でホテルアパートとして貸している。F市はビジネス都市であるから、ビジネス需要が結構ある、例えばメッセの時のホテル代わりとか、単身赴任者用とか。
一週間単位(3日しか泊まらなくても一週間分チャージだから儲かる!)だから、出たり入ったりのコントロールでとても忙しい。彼女は年だから、後継として私に任せたい、と。
だけどこの仕事は骨董の仕事が暇な時にやるという訳には行かない。
両方とも期日にしばられるから両立は不可能であることがすぐにわかった。
起業に成功した私の友人たちはなぜか口をそろえて言う、ビジネスを自分でやったら、お金をもうけなければ意味はない、趣味でなんかやるんなら、最初からやらないほうがいいと。
その意味ではこのホテルアパート業の女性はビジネスウーマンとして成功者である。
また彼女は「お金が全て!」という人である。なんだかわたし、彼女を見てもちっともうらやましくはないのである。
自分の好きなことを仕事に出来るのは幸せである。好きな仕事でお金が稼げたら、もっと幸せであるのは言うまでもない。
目下のところ私は本業でもっとお金を稼ぐやり方を考えている。
と同時にお金が儲かるサイドビジネスの計画も進行中である。
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