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テーマ:レンタル映画(818)
カテゴリ:★★★★★
・・・。
観終えてから、後を引いてしまった・・・。 ラスト近くまで静かに流れる美しい映像を観ながらも、ずっと緊張感がありました。 評価は分かれるようですが、こういう作風の映画、私はかなり好き。 ちょっとアートな感じの淡々とした描写で、 "白黒ハッキリさせない" "感じ方は観客に委ねる" 的な感じで・・・。 観始めてまずは、映像の美しさと、それぞれの登場人物の背後から撮っていくカメラワークに 惹き込まれ、やがて画面に目が釘付けになりました。 彼らの高校での日常を、静かにただ淡々と追っていくカメラワーク・・・。 このあまりにも起伏のない映像に退屈したという声も聞きますが、 でも私は、その何気ない日常を捉えたシーンを延々と映し出しているからこそ、 ラストのあの衝撃がかえって心にズシンときた気がしています。 んー、でも私はDVD鑑賞だったからよかったのかもしれません。 こういう作品は劇場向きではないかも。 劇場のあの暗い会場の中の大画面で、こういった映像を延々と見せられたのでは、 やっぱり少々眠気を感じてしまうかもしれませんね。 ちなみに私はこの作品を観るにあたって、どんなことを元にした作品かってことは 予めわかっていましたが、オチがわかってても 画面にグイグイ惹き込まれましたし、ラストまでドキドキしていました。 (あ、でも元になった話を知っていれば、誰でもオチはわかりますね。) そして、あのラスト・・・。 何が起こるかわかっていても震え上がりました! ていうか、わかっていたからこそ、当たり前の日常の風景の中で 刻々とその時が迫っているのが、怖かった! ヘタなホラー映画より、実際の事件を元にしているこっちの方が、 よっぽど精神的に怖さを感じます (*_*; なんといっても、彼らが学校に乗り込んでいって自分達の計画を淡々と実行していく様は、 まるでシュミレーション・ゲームを一つ一つ突き進んでいるようで、 より一層恐怖を感じてしまう。 あの映画の描き方だと、どう見ても彼らは命の重みを感じてないし、 "ゲーム感覚"でやってるとしか思えない。 その前にエピソードとして、彼が"いじめられっこ"だったような場面もあったけれど、 たぶんそれは1つのきっかけに過ぎなくて、あそこまでいくには、 もっと感覚がマヒするような何かの積み重ねがあったようにも感じました。 いや、それとも"何もなかった"のか・・・。ただの"フラストレーション"? "プレッシャー"? どちらにしても、あんな事件を起こしてしまうまでに至る彼らの心の闇を考えると、 やっぱり怖いです・・・。 でも、彼らだけを責めるべきなのかな・・・。 モチロン、彼らの犯したことは絶対許されるべきものではないです。 しかしながら、そういう彼らを生み出してしまっている、環境や社会にも 何か欠陥があったのかもしれない・・。 ・・・と、この作品を観終えた時、いろいろなことを感じました。 監督はきっと、そういういろんな矛盾や疑問を抱くことをメッセージとして、 この作品に込めているのかなと思いました。 それにしてもこれから先、ああいう感覚が普通になってしまうのかな。 いつか日本でもあんな事件が起こるのかしら。 いや、銃は出てこないまでも、似たような事件はもういくつか起こってますよね。 ていうか、劇中、彼らは"インターネット通販"でそれを購入してた!! そんなに簡単にそんな物が未成年者の手に渡ってしまうなんて・・・。 そう考えるとやっぱり人事ではないし、「"アメリカ"だから起こった」なんて事件でもない気がします。 あの学校での普段の風景も、日本の学生の雰囲気となんら変わらない気がしましたから・・・。 余談ですが、劇中の高校生は全て現役高校生で ( この時点で俳優さんはいない。 その後、ジョン・ロビンソンだけは俳優になったようですが) 、 それぞれが本名のまま出演しています(←1部を除く)。 そして、監督からの要請で自分の話や体験を盛り込んで、即興でセリフを作っていった・・・とのこと。 (例えば、ジョンの実のお父さんもアル中だったり、 カメラ片手に写真を撮っていたイーライなんかは、本当に写真家を目指していたり。) どうりで、現役高校生らしいリアルさが出てるな~と思いました。 実際に劇中でアレックスが奏でる「エリーゼのために」なども、偶然彼が弾いていたピアノを採り入れたもの・・・ということで。 このピアノのメロディ、全編に渡って流れるのですが、それがまた、切なく悲しい雰囲気を出していました・・・。 " それはいつもと変わらない良く晴れた秋の日のことだった・・・ " 「エレファント」 (2003・アメリカ) エレファント デラックス版 DVD内容詳細 [ストーリー] 泥酔した父親を車に乗せ、学校に遅刻してきたジョン。 公園でカップルのポートフォリオを撮り終えたフォトグラファー志望のイーライ。 女子に人気のあるアメフト部の ネイサンは、ガールフレンドと待ち合わせて旅行を計画している。 カフェテリアで女子たちが噂話とダイエット話に花を咲かせ、 自意識過剰な少女ミシェルは図書室のボランティアへと急ぐ。 教室では内向的なアレックスが、丸めたティッシュを投げつけられている。 ごく普通の日常が淡々と流れていくなか、アレックスと親友のエリックは、 ウェブサイトで手に入れた「ある物」をバッグにしまい込み、学校へと向かった。 その日も、いつもと変わらぬ、平和な一日になるはずだった…… 監督の地元ポーランドにて、実際の高校生3000人をオーディションして出演者を選出。 1990年4月2日(ヒトラーの誕生日)に起こった、全米を揺るがせた コロンビア州コロンバイン高校での銃乱射事件を題材にした作品である。 * 2003年カンヌ国際映画祭で パルム・ドール&監督賞 W受賞 [監督・脚本・編集] * ガス・ヴァン・サント <他作品:「ドラッグ・ストア・カウボーイ」「マイ・プライベート・アイダホ」 「カウガ-ル・ブルース」「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち」など> 1987年:ロサンゼルス映画批評賞の最優秀インディペンデント/実験映画賞 受賞 1997年:「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち」最優秀監督賞 受賞 2003年:「エレファント」カンヌ国際映画祭 パルム・ドールと監督賞 受賞 [製作総指揮] * ダイアン・キートン [撮影監督] * ハリス・サヴィデス 2002年:インディペンデント・スピリット・アワード最優秀撮影賞 ノミネート MTVミュージック・アワード最優秀撮影賞 受賞 3回 [出演] * ジョン(ジョン・ロビンソン) * アレックス(アレックス・フロスト) * エリック(エリック・デューレン) * イーライ(イライアス・マッコネル) * ミシェル(クリスティン・ヒックス) * ネイサン(ネイサン・テイラー) * ティモシー・ボトムス = ジョンの父役 <他作品:「ジョニーは戦場に行った」「ラスト・ショー」「ペーパー・チェース」など> < エレファント 関連リンク > 公式サイトヘ 予告篇(u.s)ヘ 予告篇&ビデオ・クリップ(u.s)ヘ 監督&キャスト インタビューヘ 「ボウリング・フォー・コロンバイン」公式サイトヘ * ↑こちらは、マイケル・ムーアの"コロラド銃乱射事件"を題材にした ドキュメンタリー・タッチの映画「ボウリング・フォー・コロンバイン」のサイト。 < 商品リンク > * ガス・ヴァン・サント 関連商品ページヘ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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