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2005/02/15
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カテゴリ:★★★★★
有名なこの作品、今更ですが、観てみました。
そしてこれが"名作"と言われるのも、とても頷けました。
観終わったとき、ちょっと放心状態になってしまいましたね。
今までちゃんと観てなかったことを悔やみます。
その昔、公開から何年か経っていましたが、観ようと試みたことはあったんです。
でもその頃の自分はまだ学生で女子だったせいもあり、しかもどちらかというと当時は"ラブコメ"中心に観ていたので (;^_^A 、
こういう映画にあまり興味を持てなかった。というのが、正直なところで・・・。
確か、当時は観始めてすぐ止めちゃった記憶が・・・ "r(^^;)
でも、前々から評価の高いこの名作を一度は観ておかなくちゃと思っていたので、ついに今回観ることに。。。
そして、観始めからこの映画の渋い世界と若かりし頃のロバート・デ・ニーロの演技に、ぐいぐい惹き込まれていきました。

舞台は70年代のニューヨーク。娼婦やヤクやゴロツキ(てまた言い方が古いですが)が溢れるこの街で、タクシードライバーをしているトラヴィス(ロバート・デ・ニーロ)の日常にカメラは向けられます。
トラヴィスは恋人や家族もなく、何かを語る相手もいない。
そして"タクシードライバー"という仕事柄、夜勤などに出ると街のあらゆるところで、先に書いたようなゴミ溜めみたいな光景に出くわす。
そんな環境や自分の居る場所にフラストレーションを抱える男、それがトラヴィス。
ある時タクシー仲間の前でふいに彼の口から出た言葉、「ここから飛び出して何かをしたい」。。。
その思いが、その後のトラヴィスの行動を徐々に変えて行くのです。。。

で、何故かそんなトラヴィスに、自分は感情移入してしまいました。
若い頃観てたらこうは感じなかったかな?
トラヴィスに同情する気持よりも嫌悪感の方が強かったかも。
今だからこそ、彼の鬱積した心の闇も理解出来る・・・そんな気がします。
いや、でもやはり若い頃に観ておくべきだったかも。
それはそれで、彼のフラストレーションに共感を覚えたかもしれない。。。
人は誰でも、心のどこかに何かしらあのトラヴィスのような孤独感や閉塞感を抱えているように思います。
ただ、トラヴィスの行動はちょっと狂気的でもありましたが。。。

そして・・・場面はラスト近く、トラヴィスが娼婦のいるアパートに乗り込んで行き、そこであることが起こります。
・・・・・・・・(絶句)。
数分間、呆然と画面を見つめてしまいました。。。
なんというか妙に感動。。。
バイオレンス・シーンで感動を覚えるなんて初めてかも。。。
マーティン・スコセッシ監督ってスゴイ・・・☆
改めて感服しました。。。
(しかもスコセッシ監督、なんと劇中にも
<以下ネタばれ部分、伏字→>「タクシーの乗客」として登場していたようですが、自分は全然わかりませんでした~。
あの「キレてた客」がそうだったなんて、後から知って驚きましたよ。)

バックに流れる音楽もよかったですね。
哀愁漂うトランペットの音色がとても印象的。ネオン溢れるニューヨークの夜の街にとても合っていました。
このメロディが70年代という時代の空気、また作品のアナーキーな雰囲気をよく表現していたと思います。

それと、なんといっても、俳優デ・ニーロ。
彼はやっぱり凄い。
演技とはこういうものかというのをめちゃめちゃ渋く、カッコよく見せてくれます。
あの有名な鏡に向かって銃の構えの練習をするシーン。
ここは長いカットな上アドリブもかなり入っていたようで、その見応えあるデ・ニーロの演技には惹き込まれずにいられませんでした。

最後に・・・
この映画の背景には、トラヴィスがベトナム帰還兵だったということ、そしてそのことから来る苦悩(戦争後遺症の不眠症や、就職への保障問題など)や、
当時の強国アメリカの裏にある闇の部分なども、メッセージとして盛り込まれていたように感じました。。。

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「タクシードライバー」
(1976・アメリカ)

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[ストーリー]
ベトナム戦争帰還兵のトラヴィス(ロバート・デ・ニーロ)は帰国後、
ニューヨークでタクシードライバーの職に就く。
今日も酔っ払った手のかかる客を乗せながら、夜の街を流していた。
周りには娼婦やヤクの売人が溢れている。
トラヴィスはそんなゴミ溜のようなこの街に、ふつふつとフラストレーションを溜めていた。
ある時、大統領候補の選挙事務所で見かけたベッツィ(シビル・シェパード)に
一目惚れするが、これも上手くいかず。
やがて、夜の街で売春婦の少女アイリスと出会ったことがきっかけとなり、
歪んだ使命感にかられ、過激な行動へと走っていく・・・。


1976年 カンヌ国際映画祭
パルム・ドール:マーティン・スコセッシ


*

[監督]
* マーティン・スコセッシ
<作品はコチラ

[脚本]
* ポール・シュレイダー

[音楽]
* バーナード・ハーマン

[出演]
* ロバート・デ・ニーロ
(主人公 トラヴィス・ビックル役)
<作品はコチラ

* ジョディ・フォスター
(売春婦の少女 アイリス役)
<作品はコチラ

* シビル・シェパード
(トラヴィスが一目惚れする女性 ベッツィー役)

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【 関連リンク 】


ロバート・デ・ニーロ、『タクシードライバー』続編に意欲?のニュース

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サントラ試聴(u.s)
* 4曲目がよく流れていました。印象に残る曲です。
12曲目、デ・ニーロのセリフあり。



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Last updated  2005/02/15 11:18:19 PM
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