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2005/02/19
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カテゴリ:★★★★☆
「オペラ座の怪人」のジョエル・シューマカー監督繋がりで、今度は同監督作品のコチラを観てみました。
しかも製作は、あの「アルマゲドン」「パイレーツ・オブ・カリビアン」のジェリー・ブラッカイマー。
作品内容は、1996年当時のアイルランドでの麻薬犯罪組織を追跡する中、凶弾に倒れた女性ジャーナリストの実話が基になっています。
このシリアス・ドラマが先に挙げた2人の名士(ジョエル・シューマカー、 ジェリー・ブラッカイマー)の手にかかると、一体どんな仕上がりになるのだろうかと思いながら観始めました。。。
モチロン、こちらは「オペラ座の怪人」と違って事実を基にしたシリアス・ドラマなので、地味で重い描き方ではありますが・・・。

物語はまず、ダブリン郊外の荒れた住宅街を映し出します。
麻薬に染まってしまっている人々(その多くは子供たち)など、ひたすら暗く(映像もとてもダークな感じ)淡々と描かれるところから始まります。
子供たちがひどい環境の中、麻薬の手に染まって荒んでいる様子は、観ているのがとても辛く、悲しくなります。
やがて荒涼としたその地に、精悍な面持ちの女性、サンデー・インディペンデント紙の記者、ベロニカ・ゲリン(ケイト・ブランシェット)が現れます。
彼女こそ、麻薬犯罪撲滅に向けて使命感に燃え、闇の圧力にも屈せず立ち向かっていった、勇気あるその女性ジャーナリストでした。

作品は一方で、彼女の家庭での愛溢れる様子も描いていきます。
夫はとても優しく、彼女の仕事に理解を示し協力も惜しみません。
また、彼女にはまだ小さな1人息子がいますが、仕事をしているからといって彼への愛情を怠るわけではありません。
彼女が母として息子に注ぐ愛も、とても温かく優しく描かれます。
そういった彼女の女性として、母としての、家庭での様子を背景に描かれるジャナーリスト魂。
この物語の中に、そんな妻や母としての彼女の優しい一面が織り交ぜられているからこそ、尚更その勇敢な行動の果てに訪れる衝撃シーンが私達の胸に鋭く深く突き刺さるのです・・・。
そして彼女への鎮魂歌にも聞こえる、とても優しく静かなアイルランド調のメロディが流れ・・・
その曲をバックに映し出される彼女の<以下ネタばれ部分、伏字→>「「葬式」」シーン。
観ていて胸が苦しかったです。涙がこぼれて止まりませんでした。。。

やはり、ジョエル・シューマカー監督は魅せてくれますね。
「オペラ座の怪人」でもそうでしたが、全編に渡ってその絶妙なカメラワークとバックに流れるメロディが、静かに・・・しかし"ズシン"と胸に迫ってくるのです。。。
同監督作を私はまだ「フォーン・ブース」「バットマン シリーズ」くらいしか観ていないので、シリアスもので評価も高い作品「評決のとき」もいつか観てみたいと思いました。。。

そして映画の最後、エンディング・ロールに映し出される、
「その後、現在までに世界中で196人の記者が殉職した・・・」」という言葉に、自分は、イラク戦争で犠牲になった方々のことなどが頭をよぎったりして、胸が痛みました。。。
それから、実在のヴェロニカの在りし日の受賞スピーチが特典映像の中にあるのですが、そのスピーチの内容にもとても感動しました。
本当に素晴らしい女性でありジャーナリストであった、ということをうかがい知る事ができます。

そうそう、「ジョエル・シューマカーお気に入りのコリン・ファレル」が、
「デアデビル」っぽい悪っぽい風貌」でカメオ出演していましたよ。
(一瞬でしたし、あまり意味のない役でしたが・・・)

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" 信念を貫き通し散った女性、ヴェロニカ・ゲリン・・・ "

「ヴェロニカ・ゲリン」
(2003・アメリカ)

ヴェロニカ・ゲリン 特別版
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[ストーリー]
1996年6月26日。それは、アイルランド ダブリンで麻薬犯罪の実態を追い続けていた、
サンデー・インディペンデント紙の記者ヴェロニカ・ゲリンが凶弾に倒れた日。。。

夫グレアムとひとり息子のカハルとともに幸せに暮らしていたヴェロニカ。
彼女は、子どもたちにまで麻薬が蔓延している事実に憤りを覚え取材を開始する。
様々な情報源を活用して核心へと迫っていくヴェロニカ。
だが犯罪組織は、彼女がこの件から手を引かなければ愛する家族にまで
危険が及ぶことになると脅迫するのだった…。

1996年アイルランド・ダブリンで麻薬組織のルートを追い続け、射殺された実在の記者、
ヴェロニカ・ゲリンの事件を基に描いた作品。
ダブリン城には、ヴェロニカ・ゲリンの記念碑が建てられ、Criminal Assests Bureau(犯罪審査局)
といった特別機関が設立され、麻薬撲滅の機運も高まっているとのことです。
またケイト・ブランシェットは、役作りの為に撮影に先駆けて一ヶ月間ダブリンに滞在し
ダブリン訛りをマスターし、またヴェロニカ・ゲリンの残した記事を読み、
事件の報道映像やインタビューをチェックしたりするなどしながら役作りに挑んだそうです。


*

[監督]
* ジョエル・シューマカー
<作品はコチラ

[製作]
* ジェリー・ブラッカイマー
<作品はコチラ

[原作]
* キャロル・ドイル
[脚本]
* キャロル・ドイル、メアリー・アグネス・ドナヒュー

[音楽]
* ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
<作品:「シュレック2」「チーム・アメリカ」「マイ・ボディガード」
「ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月」など>


[出演]
* ケイト・ブランシェット
(ヴェロニカ・ゲリン役)
<作品はコチラ

* グレアム・ターレイ
(ヴェロニカの夫 バリー・バーンズ役)

* シアラン・ハインズ
(ヴェロニカへの情報提供者で犯罪組織の一員 ジョン・トレイナー役)

* ジェラルド・マクソーレイ
(犯罪組織の黒幕 ジョン・ギリガン役)

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【 関連リンク 】


公式サイト

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Last updated  2005/06/26 11:50:04 PM
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