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2004.11.24
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テーマ:人間関係(927)
カテゴリ:ビジネス成功法
今、僕の会社では人事評価のフィードバックの時期。
僕の会社の人事評価制度では、管理職全員にカウンセラーという役割があって、自分が直接評価していない社員に対して評価結果を知らせ、いっしょに社員の課題を整理し、目標を設定する。
僕も毎回、数人のカウンセリングを行っている。
僕は人を評価することは好きではないが、このカウンセリングという仕事は結構好きだ。
若い社員が何を考えているか知る機会だし、何か有効なヒントを与えることができて感謝されたときは嬉しいものである。
直接評価をしない相手なので比較的本音ベースで話してくれるので、自分自身の勉強にもなり有意義だ。

当然、高い評価をされている人もいれば、低い評価の人もいる。
業務知識のレベルが明らかだったり、関与したプロジェクトの成果と自分の評価が結び付いている場合は、本人の課題や目標を設定することは難しくない。
しかし、そうでない場合は難しい。
特に低い評価の場合は、明確にしないと本人が納得しない。

こういう場合、カウンセリングを行う前に評価者と会って詳細な事情を聞くなど、カウンセラーの役割りが重要になる。

当然上司と部下には相性があるので1回の評価だけだと真相は掴みにくい。
しかし、複数の評価期間に異なる評価者から同様に低く評価されている場合は本人にも何か問題があることは確かだ。
僕の経験では、その殆どのケースがコミュニケーション能力の欠如である。
・自分の考えに固執し、上司やクライアントが求めることに応えていない。
・同僚との意思疎通が不十分で、勝手に自分の責任範囲を解釈している。
・相手の立場を考えずに、あるべき論を堂々と語ってしまう。

この傾向は学歴や資格など表面的な優秀さとは、まったく連動していない。
むしろ、会計士、税理士、証券アナリストなどの肩書を持つ人は上記の問題を抱える人が多いかもしれない。
その理由として、本人が子供の頃から学習し知識を詰め込むことが得意であり、一方、仕事の中で対人調整的な経験が不足していたり、苦手意識を持ってるため、資格によって補おうと考えている場合があるのではないかと思う。
勿論、これは僕が知っている問題を抱えている人の中での話であって、全体から見ると、そうじゃない人が大半だと思うが...

考えてみると僕の子供の頃、国語の授業の中で、双方向の正確なコミュニケーションを行うスキルを鍛えるプログラムは無かったし、今でも、よほど先進的な私立校でなければ、やっていないと思う。
いわゆるロジカルコミュニケーションとか、大前研一が強調する論理思考と言われるスキルのことである。
こうしたコミュニケーション能力は、家庭、学校、友達付き合い、クラブ・サークルの中で自然に鍛えられていくものと考えがちだが、人の素質や経験によって、この能力に大きく差が出るし、この能力によって社会に出てからの、ビジネスの成功や出世に大きく影響することは確かであるから、教育制度の中で、なんらかの対策が必要ではないかと思う。
外務省などの役人の交渉下手については、よくマスコミや評論家が批判しているが、国際競争時代の中での日本の国益のためにも重要だ。

ただ、ロジカルコミュニケーションだけでは十分とは言えない。
結局、社会で何かを成し遂げ、評価されるには、人と共感し、新たな価値を提案し、納得させ、導く力が必要だ。
特に共感するということは感情や感性に関わることなので論理だけでは足りない。

これを才能の問題としてしまっては、カウンセラーとして限界ということになってしまう。
「心の理論」を理解する力を鍛えるにはどうすればよいか?
大人になってから改善する方法はないのか?
これが僕の研究課題である。
勿論、僕も人の事が言えるほど、優れた人間ではないので、自分自身の課題でもある。
孫子の兵法や心理学を学んでいるのは、そのためである。





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最終更新日  2004.11.24 19:57:40
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