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カテゴリ:ビジネス成功法
今日、日経CNBCにソフトブレーン社の宋文洲社長が出演していた。
ソフトブレーンは今年東証二部に上場した新進IT企業。 eセールスマネージャーという営業支援ソフトが主力商品だ。 宋社長は中国人。親は実業家だったが、文化大革命後、共産党に迫害され、子供の頃は大変苦労したそうだ。 国費で日本の北海道大学に留学し、卒業後、中国に戻るつもりが、天安門事件が起こり、日本の企業に就職。しかし、就職先の企業は、すぐに倒産。その後、大学時代に自分で開発した土木解析ソフトが売れ、会社を起こし、ソフトブレーン社を東証二部に上場するまで成功させた。 テレビのインタビューを見て、宋社長が凄い人だと思ったことは、主力商品だった建築用ソフトが売れているにも関わらず撤退し、同時に営業支援ソフトを立ち上げ、見事に主力商品に育てビジネスを拡大した点である。 普通、売れている商品を撤退するなんて考えられないが、マーケットの限界をいち早く予測し、見切りをつけ、新商品の開発に経営資源を集中させるとは、凄い決断力だ。 彼は成功の理由として、子供の頃から激動の日々を送ってきたため、変化に敏感であることを挙げていた。 また、撤退の決断に関しては、孫子の兵法から「戦わずして勝つ」という格言を引用していた。 これは、マーケットに限りがあるのに、ひとつの商品に拘り、泥沼になるまで競合と戦い続けるのではなく、新たなマーケットを開拓し、その分野で優位なポジションを獲得する方が得策だということであろう。 日本人には、なかなか真似のできない判断である。 日本は島国で逃げ道が無いためか、当たって砕けろ的な発想が善しとされる。 宋社長は、そういった精神論が日本企業には多く、生産性や競争力向上の妨げになっていることを問題視している。 中国人は、負けとわかって戦はしない。撤退は勝つための一時的な戦略。何も恥じる必要はないのである。 最後に、宋社長は、日本企業の管理職に対して、 ・精神論だけでは変わらない。 ・合理的な具体論を出さなければ解決しない。 ・会社人間は辞めて精神的に自立しなさい。 とメッセージを贈っていた。 僕は孫子の兵法や三国志が好きで関連する本をよく読むが、 戦争、侵略が繰り返される長い歴史の中で、中国のリーダー達は、生き残るため、民衆を結束させる大義を掲げ、大義を果たすためにはどうすれば良いか? 必死に戦略を考えたんだろうと想像する。 日本のビジネスマンは、よく「中国人は、言うことがコロコロ変わってやりにくい」ということを言うが、彼らからすれば、その時その時の最適な戦略を選択するという合理的な行動なんだろう。 今日の午前中、フジテレビの竹村健一の番組では、中国との領土問題を取り上げていたが、中国を相手に、日本が、戦略を持たず、ただ単純に感情的な言動をしていては駄目だと思った。 民主主義の時代とは言え、国家間の関係やビジネスの世界は、一定のルールの上で繰り広げられるパワーゲームである。 生き残り、勝たなければならない。 精神論や感情に左右されない合理性と、したたかさを持つ必要がある。 多くの日本人にとって、これは大きな課題かもしれない。 それが尊敬されることかどうかは別として、滅んで行くことを望まないならば。 【送料無料商品】やっぱり変だよ日本の営業(宋文洲 著) 営業改革を訴えた、この本は、トヨタ自動車の張富士夫社長自身が購入し、営業系の役員を中心に配布。7万部に迫るベストセラー&ロングセラーに。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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