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カテゴリ:ビジネス成功法
高業績をあげる強い会社とは、どんな会社だろうか?
きっと会社のミッションが会社全体に浸透し、経営トップがしっかりしたビジョンを持ち、社員が、それを信じ、実現に向けて、個々の能力を惜しみ無く仕事に注ぎ込むことができる会社だろう。 どうすれば、こういう会社になるのか? ミッションやビジョンというのは、戦略とは異なり、そう簡単に変更されるものではない。 10年後、20年後といった長期的な視点で設定されるものである。 社員が、会社のミッションやビジョンに呼応するには、自分自身の10年後、20年後といった長期的な見通しとダブらなければならないと思う。 その会社での自分の処遇が不安定だったら、どうだろうか? 評価期間によって自分の評価が不安定で、評価と連動して給料も不安定だったら? 評価によってはリストラの危機にさらされるとしたら? 殆どの人は、まず、自分自身の生き残りを考えるはずだ。 自分自身や家族が、ちゃんと生活していけるのかどうか? この見通しがたっていなければ、会社のミッションやビジョンを考える余裕はないだろう。 業績の上がらない社員が解雇されたり、退職勧告されたりする姿を見れば、よほど優秀な社員でない限り、いずれ我が身も?という危機感が募るだろう。 そうなれば、多くの社員は、部下や後輩の育成のことや、その会社独自の技術やノウハウの習得よりも、転職に有利な資格の取得に走り、会社として好ましい行動をとるとは思えない。 僕は、社員の処遇を安定させることが、会社のミッションやビジョンに社員が呼応することの前提条件ではないかと思う。 それでは次に、会社のミッションやビジョンの実現に向けて、社員の仕事のパフォーマンスを向上させるには、どうすればよいのだろう? 人は、どんなときに仕事に熱中し、最高のパフォーマンスを発揮するのだろうか? 僕の場合、コンサルティングという仕事をしているのだが、コンサルティングと言っても、経営戦略、人事、業務改善、システムなど、いろんな分野がある。 また、対象とする顧客企業の業種は、金融、製造、流通、公共など様々である。 従って、これらすべての分野に精通することは天才でない限り難しい。 僕の場合、金融・財務系の業務やシステムの構想・計画策定が得意分野であるが、やはり、自分の得意分野において、クライアントから期待され、その課題の難易度が高いときに、最も仕事に集中し、高いパフォーマンスを発揮しているのではないかと思う。 こういう傾向は僕に限ったことではなく、誰でも同じではないかと思う。 つまり、自分が価値を置く自分のスキルに、他人が期待し、そして、その期待に自分が応えられると信じ、そして期待に応える。 こういう過程において人間は集中し、自分の能力を最大限に発揮するのではないか? こういうシチュエーションをいかに多く社員に提供するかということが会社にとって重要だと思う。 では、このために成果主義の評価制度が役にたつであろうか? ちなみに僕の会社は、日本企業としては極めて成果主義の色が強い会社である。 特に米国のコンサルティングファームと提携してから評価制度は成果主義に大きく傾いた。 いろいろな評価項目を数値化し、その数値によって、かなり報酬に差が出てくる。 新入社員と経営トップとの間には年収で20倍以上の差がある。 短期間であっても”売り上げ”という”成果”がでない社員は、解雇とまではいかないが、非常に低い評価になり、連動してボーナスも低くなり、会社にいることが苦痛になり、どんどん会社を辞めていく。 僕は、長年地道に培ってきたビジネスが成長を続けているので、そういう辛い思いは、まだ、したことがない。 その間に成果主義が強化されたわけだが、成果主義が、僕のビジネスの成功に何か刺激になったかと言われても、何もないというのが正直な答えである。 成果主義の色が強くなって、自分自身、やる気が沸いてくるようなことは、まったく無かったし、今も無い。 評価の数値を信用することができないからだ。 僕の場合、長年同じ上司と仕事をしているのであるが、上司がいくら僕を評価しても、成果主義による全体の評価調整の中で、個人の売り上げ高に応じて評価は調整される。 ビジネス成功のため種を蒔いていた時期(つまり営業活動を活発に行なっても、売り上げが伴っていない時期)は低く評価され、そのビジネスが開花し、売り上げが上がれば、楽していても評価は高くなる。 本来、期間評価とは、結果に繋がった行動をとった期間を対象に評価すべきなのに、そうならない。 僕の場合、担当者が変わらないから、自分が納得すれば良い話だが、評価制度そのものに問題があることには変わりない。 もし、担当者が変わっていたら、宝くじのように得する人もいれば損する人もいる。 期間評価の精度をいくら高めたところで限界がある。 僕の仕事はクライアントサービスであるから、クライアントに提供した価値の度合いで評価されるべきだと考えるが、その価値を、いつ、どのように測定すべきか? 自分の提案が、いくらクライアントに受けて、高く評価されたとしても、本当にクライアントにとって、その提案が良かったかどうかは数年経たなければわからないことが多い。(業務を改善して、どれだけの効果があったのか?システムを導入して、どれだけ効果があったのか?など) 結局、本当の評価は、長い年月を振り返ってみないと、誰も、わからないのである。 こういうことを考えていくと、半年や一年毎に行なう評価が、どれだけ意味のあることなのか? それによって大きく報酬に差を付けて良いのか?疑問がでてくる。 これは僕個人の経験に基いた感想なので、他の人の境遇とは異なると思うかもしれない。 人によっては、非常に単純な仕事で、上司から見て、その優劣は明らかである場合もあるかもしれない。 しかし、そういう仕事は、そもそも報酬に大差がつくのか?と思うのである。 本当にミッションやビジョンを実現することを真剣に考えている会社であれば、そういう不正確な短期の評価に社員を一喜一憂させるよりも、社員に長期の雇用を約束し、長期間の功労により社員を評価することを考えるのではないか? ということは、従来の日本の終身雇用制、年功序列が米国的な成果主義より優れているのではないか? 終身雇用制については、かなり確信に近づいている。 年功序列については、まだ、わからないが、長期間の功労を、どのように報いてあげるか?に対するひとつの答えかもしれない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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