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2005.01.26
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テーマ:たわごと(26901)
カテゴリ:カテゴリ未分類
このところ僕の日記では、良い会社にするには?という命題に対して、シナジー、知識創造、人事評価、報酬、雇用などの問題を取り上げてきたのだが、そもそも良い会社とは、どんな会社か?について、十分説明していなかったように思う。

良い会社、優良企業、一流企業とは?

良い会社の認識も時代によって少しづつ変わってきている。

日本の場合、バブル期は、資産を多く持っている会社が一流企業だと思われていたが、バブル崩壊後、米国の影響で、資産よりキャッシュフロー(お金の儲け)だろ?、企業は株主のものだろ?といった面が強調され、企業は、株主価値というものを重視するようになった。

株主価値とは、いかに多くお金(現金)を儲け、多くの配当を株主に与えることができるか?といった意味。

そんなことから、企業は、キャッシュフロー経営といって、お金の儲けを出すことを第一に考える経営に走った。
要は、コスト削減、儲けに貢献しない事業、資産、従業員のカットのこと。
しかし、21世紀になって、米国でエンロン事件など儲け主義に走り違法行為を行う経営者や、それを手助けする会計事務所の問題が起こり、企業をどうやって統治すれば良いのか?(コーポレート・ガバナンス)といった課題や、法律やルールを守ることの徹底(コンプライアンス経営)といった課題が問われるようになった。
そして、地球環境に対する企業の責任も強く問われ出した。

こうしたことから企業は、株主だけの顔色を見て経営していては駄目で、企業市民として社会に対する責任があり、社会的責任を果たし、更に社会貢献する企業こそが優良企業であるといった考え方が主流になってきた。

この”企業の社会的責任”のことをCSR(Corporate Social Responsibility)という。

これは米国から来た言葉だけれど、別に新しい概念ではない。
日本企業も、これまで製品やサービスの提供、雇用の創出、税金の納付など社会に対してさまざまな貢献を果たしている。
米国企業のように、儲からなくなったからといって簡単に首を切らないことも社会に対する貢献のひとつだ。

CSRが従来より新しい点は、環境問題という新たな責任が重視されている点だろうか。

企業は株主の持ち物で、株主の顔色だけ見ていれば良いという従来の米国企業の考え方とは異なり、企業は顧客、株主、従業員のほか、取引先、地域住民、求職者、投資家、金融機関、政府といった企業の関係者(ステークホルダー)も大切にし、関係者間の利害を調整する責任があるというのがCSRの考え方だ

金融関係の人や、M&Aに関係している人は、”企業価値”という言葉をよく口にするが、これは企業が将来生み出すであろうキャッシュ(現金)の合計を現在価値に割り引いて算出した数値で企業の買収や株価の妥当性を判断する目的で使用されるものだが、もう、そういう数字だけでは企業の本当の価値というものを表せないということだろう。

ただし、金融工学は常に発展するもので、企業の社会・環境パフォーマンスと財務パフォーマンスとの相関関係も、ある程度、研究されている。

平成13年版通商白書によると、日本の情報関連産業10社の売上高営業利益率と環境格付との相関関係を比較した結果、環境格付けが高い企業ほど利益率も高くなる傾向があるようだ。
この結果は、環境への取組みが収益面でもプラスに働いている可能性と、高収益で余裕のある企業ほど社会貢献に積極的で高い環境格付けを得ている可能性の、両面があるだろう。

企業のキャッシュフローと環境格付との相関がわかれば、企業価値の考え方も変わるに違いない。

消費者が、環境に配慮した商品を好めば、企業は、そのニーズに合った商品を積極的に開発し、その結果、環境が改善され、企業の収益率も高まるという良い循環が生まれる。

まだ、研究段階なのでわからないが、いづれにしても、企業の目指すところは、人と同じように、悪いことをせず、ルールを守り、社会に対してちゃんと責任を持ち、お金持ちになったら、社会に貢献することだろう。
それができれば一流企業として尊敬されるということだ。

CSRマネジメント ステークホルダーとの共生と企業の社会的責任 ( 著者: 水尾順一 / 田中宏司 |...
CSRマネジメント ステークホルダーとの共生と企業の社会的責任 ( 著者: 水尾順一 / 田中宏司 |...





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最終更新日  2005.01.27 20:09:46
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