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カテゴリ:ひとりごと
ホリエモンがメディアやジャーナリズムの世界のベテラン達(50代以上の世代)からバッシングされているところを見ると、なんだかクライアントから僕の部下に対する苦情を聞いているような錯覚がある。
僕の直属の部下は大体30歳前後のマネージャーかコンサルタントになるのだが、そういえば、この世代はホリエモン世代。 実際に、団塊世代以上のクライアントから、僕あてに、部下の態度や言動に対して苦情がくることが、たまにある。 (そういえば、規制に守られた大企業が殆どだなぁ) 話しを聞いてみると、論理的には概ね部下の方が正しいのだが、どうも、クライアントの立場からみて、「あのタイミングで言わなくても良いだろう」とか、「もうちょっと言い方に気を使ってほしい」とか、「生意気ではないか」といったような、配慮が欠けた失敗が多い。 さすがにホリエモン程ではないが... クライアントもいっしょに仕事をしているので本人には、なかなか言いにくく、ときどきやってくる僕に対して愚痴のようにボソッと言う。 そういうときは僕からクライアントに部下の失礼に対して謝り、部下には、「言っていることは間違ってないが、もうちょっと気遣いをしなさい」と注意をする。 しかし、なかなか自分の非を認めようとしないし、認めても不服そうである。 なんだか、これはもう世代間の文化の違いのような気がする。 僕はバブルが崩壊する前に入社した世代。 バブルの頃は、よく会社で宴会をやって昭和一桁のお偉い方や団塊世代の上司から自分たち栄光、自慢話や説教を聞かされて育った。 また、そういう経験の中で目上の人に対する気遣いを学んだ。 景気は良いし、嫌でも、上司のやり方が正しいと認めざるを得なかった。 一次会の費用は会社持ちだし、二次会は上司の財布からお金が出た。 飲みに誘われて断るということは、よほどの事情がない限り、ありえなかった。 バブルの頃は、経済は成長することが前提で、資金はいくらでも調達できたので、目先の儲けよりも、資産の大幅な拡大やや、社会貢献のような大義名分を事業の意義として掲げた。 しかし、そういう大義のもと、無防備でだらしない経営をやっていたし、一部のリーダー達が「こうだ!」と生産者の論理で顧客の本意を確認することもなく一方的にものやサービスを作り上げた。 それがバブル崩壊で一転した。 企業は財務重視の時代。いわゆるキャッシュフロー経営の時代に入った。 経費節減。 飲ミニケーションはすっかり衰退してしまった。 僕より上の世代も、僕達の世代も、部下や後輩を飲みに誘うことは大幅に減った。 ホリエモン世代は、バブル崩壊以降の入社だから、飲ミニケーションを通して、年配の人達の本音ベースの価値観をあまり聞く機会がなかっただろうし、価値観を植え付けられてもいないのではないか? それどころか、そのような価値観や、やり方を疑っている世代なのではないかと思う。 大企業の倒産、経営者の不祥事、中高年のリストラ こういう悪いイメージしかなく、中高年が考える哲学や美意識や大義名分が、みんな嘘臭く見えるのかもしれない? 僕のような両世代の間の世代(中途半端な世代?)から見ると、このギャップは調整不能なのではないか?とちょっと心配。 僕の部下(ホリエモン世代)の特徴を整理すると以下のようになるのだが、これは一般的な傾向なのだろうか? 正直(媚びたりしない、建前をあまり言わない、納得いかないことには上司に対してもハッキリNoと言う) 冷静(淡々としている) 個人主義(他人の価値観に口出ししないし、されるのも嫌) 表面的平和主義(仲間同士喧嘩しない) 曖昧なことを嫌う 勉強熱心(僕の部下の場合、証券アナリストなど金融分野が人気) あまり会社の行事に参加しない。 同年代で飲むのが好き ネット株投資がブーム(だった) 僕から見ると良い面も悪い面もある。 こういう人達だから、上司は精神論を言っても通用しないし、説得するには、相当、論理武装しないといけない。 僕らは、団塊世代の上司から、相反する2つのことを同時達成することを「何とかしろ!」と命令され、しょうがないなぁと一生懸命考えたものだが、この世代に、同じことを言っても、相当説明しなければ応じない。 考えてみると、僕の会社の、この世代は、あまり社内での自分の売込活動が得意ではない。 団塊の世代の役員クラスと中の良い人もあまり見たことが無い。 やはり、世代のギャップだろうか? こういう融通の利かない面や対人戦略が弱い面は、将来、クライアントの矢面に立ったとき、本当に通用するのかどうか心配になってくる。 しかし、これも固定観念かもしれない。 彼らは、人付き合いが嫌いな訳ではない。 論理性が無く、精神論ばかり説教するオヤジが嫌いなだけだと思う。 将来、こういう世代がビジネスの中心になってくれば、そういう人達の中で、新しいタイプのリーダーが生まれ、新しいタイプの組織ができあがるように思う。 そのリーダー像とは、僕が以前に日記で書いた古田のような調整役タイプなのかもしれない。 昔のリーダーは、おれがリーダーだ!といった態度で声が大きく、議論をしても、声の大きさで強引に主導権を握るタイプだったのかもしれないが、恐らく、そのようなリーダーはもう通用しないのだろう。 今生きている青年達が急に変わるわけは無いから、いずれそういう時代になる。 今、テレビでホリエモンを批判し、ジャーナリズムはこうであるべきとか、自分達が世論をリードしなければならないと思っている既存メディアのリーダーたちも、最後の悪あがきをしているのかもしれない。 双方向性のメディアが登場すれば、テレビのキャスターや、ラジオのパーソナリティーのタイプも変わっていくのだろう。 ホリエモンが勝とうが、フジテレビジョンが勝とうが、ホリエモンが言うとおり近い将来、メデイア業界の変革は必ず始まるのだろう。 僕ら金八世代が橋渡し役(調整役)となってソフトランディングでいくべきか? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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