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2005.03.15
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テーマ:たわごと(26898)
カテゴリ:ひとりごと
「他人の欠点はよく気がつくが自分の欠点は気がつかない。」
人はそういうものである。
近ごろのマスメディアの報道姿勢を見ていると実感する。

社会保険庁や大阪市の職員の無駄遣いについては徹底的に批判し改革を迫っているのに、一方、ライブドアvsフジテレビ問題になると、既存メディアを守っていこうという私意がみえみえである。
これは、フジサンケイグループに限ったことではない。

例えば、今日のテレビ朝日のワイドショーでも、重要な話題が沢山あるにも関わらず、番組のトップに、ライブドアの顧問弁護士の辞任のニュースを持ってきて、その理由がなんであるか正確な情報を掴んでいないのに、既存メディア派の弁護士に「何か問題があるに違いない」といった推測レベルのコメントをさせる。
番組を見ていると、一応、ニッポン放送の焦土作戦など、フジサンケイグループの経営姿勢に関する問題点に触れているが、番組トップに持ってくるインパクトに比べると弱い。

先日の産経新聞の「ライブドア “提携先イーバンク株”、無断で株主に譲渡交渉」という記事にしても、あたかも違法行為が行われたかのようなショッキングな見出しだが、内容を良く読むと違法性はないのである。

このように、一応事実を伝えたかのようにして、結局は、世論誘導まがいのことをしている。
何を強調するかは、製作者の判断次第。文句を言われる筋合いはないと考えているのだろうか?

しかし、今、メディアのあり方が問われている状況であるから、一層、公共性、中立性を心掛ける必要はないだろうか?
そうしないと、ますます既存メディアの報道姿勢には、「偏りがある」、「一部の経営者の私意が反映されている」と非難されるように思う。

我々コンサルティング業界もエンロン事件以降、監査とコンサルティングの分離が求められ、監査法人との資本関係を解消しなければならなくなり、生き残りのため必死である。
事業を拡大していくには資金が必要だから、上場したり、コンピューターメーカーやSIベンダーとの提携に走っている。

業界トップクラスの大手コンサルティング会社であったPWCはIBMの傘下になりIBMビジネスコンサルティングに社名変更した。
しかし、IBMビジネスコンサルティングがIBMのソリューションがベストだと言っても、それを裏付ける客観的な情報と論理がなければ、クライアントは信用しなくなるし、そういうことはIBMビジネスコンサルティングもわかっているだろう。

こういうことは、どの業界も同じだと思う。

メディアも本当に顧客(視聴者)の利益を考えていかなければ、自分たちの立場を追い込んで行くのではないか?


しかし、人は自分が可愛いものである。
まず自分の生き残りを最優先に考えるのは、皆同じではないだろうか?

ライブドアvsフジテレビ問題における、フジテレビの日枝会長やニッポン放送の社長(名前なんだっけ?)の言動を見ているとそれがよくわかる。
この人達個人の立場を考えると、そんなことは言ってられない。
このままでは自分の地位や仲間たち(自分の派閥や恩恵を受けている人達)が危ういことは事実だ。
何とかしようと思う気持ちはわかる。

しかし、利害が異なる立場の人が、それを許すわけにはいかないだろう。
焦土作戦などやられてニッポン放送の企業価値が下がっては、ニッポン放送の株主は怒るに決まっている。

人は当事者になると公平な判断ができなくなる。
だから権力を牽制する仕組みやルールが必要なのだが、現状、メディア業界を牽制する仕組みは十分ではないと思う。
これはフジテレビがライブドアの傘下になっても問題は残る。
しかし、横並びではいられなくなるから、他局も自ら改革していこうという空気が生まれるだろう。
(実は、これを期待している)


さて、ライブドアvsフジテレビ問題において、議論をおかしくしているのは、「フジテレビ側」と言ったように会社全体で立場を表すことで、あたかも経営者と従業員が一体となっているように錯覚してしまうことではないかと思う。

現行の経営者と従業員とは、必ずしも利害は一致していない。
社長は、従業員の選挙で選ばれるわけではない。
一致しているのは、現行の経営陣や、派閥など恩恵を受けている従業員である。
派閥に属さず実力のある人の中にはチャンスだと思っている人達も多いだろうし、メディアのあり方に問題意識を持っている人も多いだろう。
(従業員の平均年収が1500万円だったら不満を持っている人は少数派かもしれないが...)

それは、テレビ出演者や取引先にもいえることだ。
今、テレビでコメントをしている人達は、現行の体制における売れっ子、勝ち組であるから、本人達が現状維持しようと考えるのは当然であり、公平なコメントを求めることは、そもそも難しいことであろう。

我々、国民、視聴者は、そういうことを十分考慮して、メディアから発信される情報を受け止めるべきだろう。

しかし、近ごろの世論調査等を見ると、国民も大分そのことがわかっているような気がする。
国民は賢い!
ネットの貢献もあるだろう。

やはり、国民を見下し世論誘導を思いのままやろうとしている既存メディアの経営者達の方が時代錯誤、勉強不足といえるのではないだろうか?

僕も、こうならないように気をつけよう。





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最終更新日  2005.03.15 20:49:16
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