|
カテゴリ:ビジネス成功法
ホリエモンは、歴史上の人物で誰に似ているのだろうか?
信長に例える人がいるが、なんだかピンとこない。 では誰がピッタリか?と言われても、なかなか思い浮かばない。 それはホリエモンに、良くも悪くも人間味が感じられないからだろうか? この人、謀略を考えるようなタイプではないと思うし、お金で贅沢するようなことにも本当は興味がないような気がする。 ひょっとして、ホリエモンは何かミッションを果たすために宇宙か、または、未来から送られてきた経営者ロボットなのかもしれない!? 宇宙人か未来人(ひょっとしてロボット?)は、何かの実験のため、彼に経営ノウハウと意思決定を行なうプログラムを埋め込んだ。 「社長ロボット」ホリエモンのミッションは、起業し、経営者となり、最短の期間で、グループの企業価値を世界一にすること。 ホリエモンは、これのみを追求する。 最短の時間で企業価値を世界一にするには、何か特定の事業に思い入れがあってはいけない。 あらゆる合法的な手段により、企業を買収していく。 ホリエモンの頭の中で、ワーストケースを含め、あらゆる戦略シナリオのシミュレーションが済んでおり、すべて”想定内”。 しかし、”ロボット”ホリエモンは、人間の心を読む力が弱く、人間は、ときには自分の価値観を守るため、損を覚悟で非合理的な意思決定を行なうことまで予想できなかった... ホリエモンは自己学習するロボット。ホリエモンは、最後に何を学習したのだろうか? 以前、確かフジテレビで「ダニエル・キイス」の「アルジャーノンに花束」という小説をドラマ化していた。 このドラマの主人公は知的障害を持ち、幼児なみの知能しか持っていなかったが、自分の愛する女性を掴むため、手術を受け天才に変貌した。 超知能を手に入れた彼は、果たして幸せになったのか?といった話。 人間の心の真実に迫る問題作。 ホリエモンに反感をもつフジテレビの従業員が、こんなドラマは作ったら面白いかもしれない。 アルジャーノンに花束を( 著者: ダニエル・キイス / 小尾芙佐 | 出版社: 早川書房 ) 冗談はさておき。 このライブドアvsフジテレビ問題は、経済・社会・企業経営とは何か?人は何故働くのか?など、いろんな面で勉強させてくれる。 どちらに転ぼうが、国民にとって大変勉強になり有益な事件ではないだろうか? 僕も、企業向けのコンサルタントという仕事をしていながら、これまで知らなかったことが結構あったし、新たに考える機会を貰ったような気がする。 さて、この問題で、近頃、考えさせられていることは、今流行の”グループ経営”とは何ぞや?、グループ経営戦略とは何ぞや?ということ。 メディア界の人がホリエモンに対して、メディアに対するビジョンが見えないとか、思い入れがあるのか?ということをよく口にするが、では、企業グループのトップが、これに答えるべきなのか?ということを考えさせられた。 グループ経営というのは、持ち株会社が、複数の事業会社を傘下にして、グループ全体の企業価値を高めていくことを目指すものである。 持ち株会社は、持ち株会社の株主や金融機関に対して、グループ全体のミッション、ビジョン、戦略を説明し、グループを代表して資金を一括調達し、各事業会社の事業に重み付け(ポートフォリオ管理)を行い、それに従って資金を配分する。そして各事業のパフォーマンス(業績)を監視し、将来性のない事業は手遅れにならないように撤退し、将来性のある事業に対しては、より多くの資金を供給し、成長を促す。 持ち株会社はグループ全体でのキャッシュフローを最大化するように効率的に資源を管理する。 こうしなければ、持ち株会社の株主や金融機関に対して責任を果たしたことにならない。 従って、持ち株会社の経営トップは、冷静な判断ができない程、個別事業に、思い入れを持ってしまっては務まらないのである。 例えば、三菱商事のような大手商社の経営トップに、個別事業に対して、どれだけ具体的なビジョンがあるのか?と言われても、おそらく、「それは事業会社(子会社)の経営トップに聞いてくれ?」ということになるだろうし、「お前は、この事業のノウハウがない。」と言われても困るだろうし、「金儲けが目的だろう?」と責めても、「それはビジネスだから当たり前だろう」という答えになるだろう。 実際、大手商社のように多くの事業を行っている企業グループの場合、独自の撤退ルールというものがあり、一定の収益をあげない事業(子会社)は、どれだけ事業会社の経営者や従業員に思い入れがあろうが、ドライに撤退する。そうして事業ポートフォリオを組替え、グループ全体の成長を維持する。 では、持ち株会社のトップはどのような能力が必要で、どのようにグループ全体を統制していけば良いか? 僕は、生き物の生態を管理するようなものではないかと思う。 多くの生き物(企業)が生息するジャングル(産業界)で、自グループに属する生物(子会社)全体が繁栄するように、雨をふらしたり、餌を与えたり、互いに補完関係にある生物(子会社)同志、シナジーが生まれるように住家を近づけたり、あまり目立たないように後方支援を行うノウハウが必要ではないかと思う。 やるべきことは、病気を持っって死にそうな生物(子会社)を早く除外し、他の生物に病気を移さないこと。 逆にやってはいけないことは、生態の中に入ってしまうこと(各事業の詳細に中途半端に口出しすること) 例えば、NTTグループなんて、分社後、グループ企業同士が、似たようなビジネスを行っているため、ときにはグループ内で競合するようなことがあるが、持ち株会社は、中途半端に仕切ると各事業会社のやる気が損なってしまうから、殆ど介在しない。 グループ内で切磋琢磨することになってもNTTグループ全体としてははメリットがあると考えているのかもしれない。 グループ経営とはこういうものである。 だからホリエモンとしては、IT・フィナンシャル・メディアグループ?としてのビジョンしかなく、メディアとITの融合という変化によって何かが生まれることに期待を持っているだけで、報道が一方的であること以外に問題意識は余りないのかもしれない。 「自分が気に食わないこと以外、貴方達に任せます」というのがホリエモンのスタンスだろうか? そうであれば、メディア業界の人からの批判については、的外れであり、話し合えば良いのである。 困るのは既得権の恩恵を直接受けてきた一部の人だけではないだろうか? ただ、忘れてはならない点は、グループとして共通のミッションや社会貢献の考え方を持ってなければ人の求心力は無く、巨大企業グループは維持できないということ。 グループ内の事業間、企業間でシナジーを生むことがなければ、グループ全体の企業価値を高めようと思っても限界があるだろう。 お金だけでなく、各グループ企業に勤める従業員達に共通の価値観、誇りというものがなければ、協力しあってシナジーを生み出そうとするインセンティブは働かないだろう。 ホリエモンには、メディアというよりもグループとしてのミッション、ビジョンを示して欲しい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[ビジネス成功法] カテゴリの最新記事
|