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カテゴリ:ビジネス成功法
昨日の記者会見でホリエモンに対してフジテレビのアナウンサーが「会社は株主のものか?それとも従業員のものか?」と質問していた。
今日のテレビ朝日の報道番組で、テリー伊藤は「会社は従業員のものだ!」と主張していた。 このようにライブドアvsフジテレビ問題において、テレビ関係者は、「会社は誰のものか?」という課題に拘りがあるようである。 僕は、この課題を投げかけて一体どうするの?と疑問に思う。 誰のものかといえば、株主のものである。 そういう所有という意味ではなく、誰の利益が優先されるべきか?との課題であれば、それは一言で答えるべきものではないと思う。 経営者が、これに答えてしまっては波紋を呼ぶに決まっている。 そういうことをわかっていて、揚げ足を取るために質問しているのであれば、まだ意味はわかるが、本気で質問しているなら極めてナンセンスな質問だろう。 テリー伊藤のような芸能人であれば、話を面白く、分かりやすくするため、問題を○×的に単純化し、視聴者の感情に訴えることができれば成功なのだろうが、それで世論が誘導されることになれば問題だと思う。 経営というものはバランスをコントロールすること。 経営者の役割は、株主、従業員、顧客、仕入先・外注先、債権者、政府・行政、そして社会といったステークホルダー(企業の利害関係者)間の利益調整を行うこと。 この中のひとつでも無視した場合は、会社は存続することはできない。 顧客を無視すれば、売上は落ちこむ。 従業員を無視すれば、良い商品・サービスを顧客に提供できない。 仕入先・外注先も同様。 債権者を無視すれば、事業に必要な資金を調達できない。 行政や社会を無視すれば、規制や損害賠償により事業がストップしてしまうかもしれない。 だから経営者は、そのとき、そのときの、ステークホルダーのニーズ、問題意識を察知して、全者が納得できる提案を行い、合意できるよう調整する使命がある。 会社を経営することは、天秤のバランスが崩れないように、ステークフォルダー間の利益調整を継続することだと思う。 しかし、誰の利益を優先すべきかという課題に、敢えて答えるならば、やはり顧客ではないだろうか? というのは顧客が存在し価値を認めてもらわなければ、ビジネスは成り立たないし、企業も存在する意味がない。 まず、顧客に価値を提供することが起点になるのではないかと思う。 ステークフォルダーに対する企業の考え方として良い参考例がある。 前にも紹介したが、例えばジョンソン&ジョンソンの我が信条 これは今流行りのコーポレートガバナンス(企業統治)、CSR(企業の社会的責任)という概念を、いち早く取り入れた良い例だと思う。 ジョンソン&ジョンソンは、ヘルスケア関連の製品を提供する老舗企業である。 この会社は、昔、同社の主力商品であるタイレノールという鎮痛剤に何者かが毒物を混入し、死者を出してしまい、企業として重大な危機にさらされたが、社員全員が一丸となって、対策を講じ、迅速な対応を行ったため、見事に復活した。 何故、このような復活ができたかと言えば、経営者が、この我が信条に立ち返り、顧客への責任を最優先にして意思決定を行ったからである。 どこかの某M自動車工業とエライ違いである。 株主というものは、企業の飼い主であるから、企業が、他のステークフォルダーへの責任をちゃんと果たすことを約束した上で初めて、企業を飼い、利益を得る権利があるということだろう。 今日の記事中島みゆき、タモリら堀江社長を拒否 買収ニッポン放送には出演しないを見ると、何だか寂しくなる。 ホリエモンの経営に何か問題があるなら仕方がないが、何も起こっていない状況で、拒否反応を起すとは、ちょっと大人げないのではないか? リスナー(顧客)が可哀想だ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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