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2005.04.05
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カテゴリ:ビジネス成功法
「自分は何のために働くのか?」

日経ビジネス(2005/4/4)によると、日本企業に、こういう当たり前のことを悩んでいる社員が増えているようだ。
自分の仕事に不満を抱き、自分の仕事に意味や価値観を見失っている、
いわば「社内ニート」が増加しているようである。

僕の会社も残念ながら、こういう「社内ニート」が少しずつ増えているように思う。

・熱中して、がむしゃらに仕事をするようなことはない。
・仕事を好きになれず、仕事を覚えるスピードが遅く、得意分野がなかなか見つからない。
・会社に対して不満げな言動が多い。白けている。
こんな人が増えている。

コンサルティング会社も大所帯になって、質が低下している面もある。
しかし、高学歴や難易度の高い資格を持っている人の中にも、こういう人が結構いる。
これは確かに日本全体の傾向なのだろう。

一般的に、この原因は、2つあるのではないか?と思う。

ひとつは、経営者側が、社員にとって魅力的なミッション、ビジョン、価値観を提示できていないこと。
または、浸透させる努力が足りないこと。
(この問題については、日経ビジネスで、いろいろな企業の取り組みが紹介されている。)

もうひとつは、社員(特に若い社員)に、生きる意欲、生存の意識(危機から脱出しようという意識)とういうものが希薄になっているように思う。

20~30代の若い社員は、小さい頃から豊かな生活に慣れていて貧困に対するリアリティがない。(僕もそうだったけど)
自分が食っていけなくなる状態なんて想像できないのではないだろうか?
親も、まだ元気で働いていたり年金で豊かな生活をしていたりすれば、なおさらだろう。

特に心配なのが若い男性。
女性の社会進出が進み、男性の立場、役割の重要性が少しずつ低下していることが原因かもしれない。
女性の場合、企業社会で、まだまだ、活躍の場を広げていくチャンスがあるから、「やってやろう!」という挑戦者の気持ちがあるのにに対して、男性は奪われる方だから、何となく閉塞感を持ってしまうのかもしれない。

また、生き方が多様化し、選択の自由度が高まっている点もあると思う。
例えば、結婚して家族を持つ生き方じゃなければ駄目だと誰も言わなくなっている。
僕の場合、結婚したり、子供が生まれた時など、背負っていかなければと責任を感じ、身が引き締まったものだが...
人には、それぞれ事情があるので、良し悪しについては何ともいえないが、「背負うもの」が生きる力になることは確かだろう。

今の若い人の仕事の目的は、「生き残ろう」とか、「家族のために働こう」というよりも、「大金持ちになって楽して生きよう」とか、「生きがいのある仕事がしたい」といった一段上の目的が強くなっているのだろうが、その前に、生存への意識が希薄になっているので、パワーが不足で、空回りしているのかもしれない。

こういう状況で、会社に入って、その会社のミッションやビジョンがぼやけていたり、建前になっていたり、浸透していなければ、「自分は何のために働くのか?」と悩むのは、当然かもしれない。


僕は管理職なので、経営者側、社員側、両方の立場で考えてしまう。

まず、経営者側から見た場合、こういう「社内ニート」に対して「けしからん」と精神論を押し付けても駄目だということ。
「社内ニート」の心の問題について冷静に分析し、「社内ニート」が生まれないような環境を作らなければ、結局、企業の競争力が無くなってしまう。
「社内ニート」を生まないようにするには、どうすれば良いか?これが経営者にとって最も重要な課題になってきたのではないか?
ITによる効率化だけでなく心理学をベースに人や組織の活性化に対して科学的なアプローチが必要だと思う。

社員側に立ったとき、やはり、どうしても、おじさんの立場から見てしまうのであるが、若い社員に対しては、「ちょっと甘いんじゃないの?」「危機感がないのでは?」というのが本音である。
すべてを経営者に委ねているようでは、一生、出世できないし、会社を変えていくこともできない。
自分がミッション、ビジョンに呼応する会社を探しまくっても、入れるかどうかわからないし、自分が、そこで活躍できるかどうかもわからない。迷っていても時間が過ぎ歳をとっていくだけ。
今の会社に何か柵があっても、有志を募って、会社としてやるべきことは何かを議論し、経営者に対して提案をしていけば良いのではないか?と思う。
どうも、「社内ニート」には、問題をすべて会社のせいにして、自分はどうすべきか?について真剣に考えていない人が多いように思う。
そういう人には以下の本を勧めたい。

7つの習慣 成功には原則があった! ( 著者: スティーヴン・R.コウヴィ / ジェームス・スキナ...
7つの習慣 成功には原則があった! ( 著者: スティーヴン・R.コウヴィ / ジェームス・スキナ...

僕が、この本を読んで関心するのは、日本人の書く本は難解な精神論が多いのに対して、アメリカ人は、論理的に何故そうすべきなのか?説明することが上手だという点。
わかりやすくて説得力がある。

また説教調になってしまった....


さて、僕は、今カウンセリングの勉強をしているのであるが、僕の問題意識は、このような説教調では、「社内ニート」には効き目がないということ。
自分が上司から受けてきたことを、そのまま部下にやってもうまくいかない時代なのである。
そのことをよく理解しなければならない。
難しい時代である。
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最終更新日  2005.04.05 21:39:59
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