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2006.08.17
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昨今、環境問題や不祥事の多発から、企業はCSR(企業の社会的責任)が問われている。

僕は、CSRには2つの側面があると思う。

(a)社会に対して悪いことをしないという側面
(b)社会に対して良いことをしようという側面

今多くの大企業は、内部統制の強化が法的に義務付けられたため、(a)を重視し、性悪説に基づき、必要以上に社員をルールで縛りつけようとする傾向があると思う。

しかしこの傾向が行過ぎると、モチベーションが低下、モラルダウンが生ずる危険性がある。

「 社員が壊れ、会社が壊れる 憂鬱なオフィス 何のための管理強化か? 」(日経ビジネス20065月1日号)


現代のカウンセリング理論の生みの親であるカール・ロジャーズは、
 「自己概念と経験の不一致が不適応や病理を生み出す。(自己不一致)」
と言った。

つまり、人間は、こうでなければならないと思い込んでいるのに、まったくそうではない現実を経験すると、ストレスを感じ、それが極度に高まると、不適応な行動をとったり、しまいには病気になるということ。

あまりに厳しいルールや業務を課した場合、社員は、それをこなすことが難しくなり、何故ここまでしなければならないのか疑問に感じ、やってられないと開き直り、問題を起こすリスクが高まるのではないか?

JALやJR西日本など不祥事を起こす企業は、こうした人間心理を無視して、何に対しても飴とムチで対処するため、きっと、からまわりを起こしているのではないか?

僕は(a)を徹底するよりも、むしろ(b)を重視した方が、かえって社員は健全になり、不正を防げるのではないかと思う。

ロジャースは、
 「ありのままの人間には、『成長・回復・発展・適応』へと向かう自然な本性としての実現傾向がある。」
 「人は自己一致したときに『成長・回復・発展・適応』へと向かう自然な本性が表れる。」
と言った。

では、どのようなときに、人は、そういう建設的な方向に向かうのか?

それは、他人から共感的理解が得られ、心のもやもやが消え、自分自身を冷静に見つめることができるようになったときである。


こうしたことを考えると、

『経営者は、社員が悪いことをするのではないか?と疑うのではなく、社員の日頃の苦労を労い、大変な時代になったと社員と共感していることを伝え、つまらないルールは廃止し、「いっしょに世のため、人のために良いことをしよう!」というメッセージを社員に送り、賛同を促すこと』

これがCSRを果たす上で最も効果的であり重要はないかと思う。







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最終更新日  2006.08.19 11:31:29
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