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カテゴリ:心理学・カウンセリング
近頃の企業の不祥事は、上からの過度のプレッシャーが起因となり、組織ぐるみの隠蔽工作がなされ逮捕者が広がる傾向にあるように思う。
原因は、企業に『...ねばならない(must)病』が蔓延しているからではないか? 利益を出さなければならない 不祥事はあってはならない 評判がさがってはならない 「もし、不祥事が発覚したら、何もかも終わりだ」 上司が考える。 「上司に逆らうと自分の会社での立場は、危うい。そうなれば自分は終わりだ」 部下は考える。 こうした誤った信念が会社全体に蔓延ることにより、組織全体がパニックに陥る。 挙句の果てに問題を隠そうと虚偽の報告をしてしまう。 確かに不祥事が起こると大変だけど、果たして人生は終わりなのだろうか? 妻や子供との生活も同時に崩壊するのだろうか? クビになり、仕事が見つからず、飢え死にするのだろうか? ジョンソン&ジョンソンのように不祥事をきっかけに、顧客サービスやリスク管理を徹底しエクセレントカンパニーに成長した企業もあるし、石原軍団のように撮影時の事故のあと、誠意ある対応を行ったことにより、評判の悪化を防いだ例もある。 決して人生は終わりではない。 終わりと考えるのは非論理的、非科学的である。 しかし、何故、一流企業の経営者や社員でも、過ちを犯してしまうのか? おそらく一流大学を出て、成績も優秀だったはずであるが... それは自分の感情まで冷静に分析し、思考することが苦手だからだろう。 出来事により人は恐怖や不安や怒りなどの感情が生まれると考えがちだが、本当は、出来事を誤った信念により解釈して不適切な感情が生まれるのである。 こういう人は「すべきだ」「ねばならない」という誤った信念を持っている自分に気付き、「...にこしたことはない。駄目だったら違うやり方や生き方を考えよう」という論理的、合理的な考え方に切り替えれば良いのである。 この理論は僕が考えたものではなく、アルバート・エリスの論理療法というアメリカではポピュラーな心理療法の理論である。 どんなことがあっても自分をみじめにしないためには(著者: アルバート・エリス ) 論理療法は、神経症の治療などに成果をあげており、精神分析などと比較して短期間で効果をあげることから健常者のカウンセリングにも利用されている。 ところで今、渡辺淳一の『鈍感力』という本が売れている。 鈍感力とは実は論理力のことであろうか? 論理力や鈍感力が極端に不足すると、ちょっとしたことでも不安になり、神経症になってしまうということか? こういう本が売れているということは、神経症までいかなくとも、何事も過敏に反応し、極端に不安を抱く傾向を持った人が急増しているのかもしれない。 毎日、仕事のプレッシャーで悩み不安を感じている人は2冊ともお薦めです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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