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2007.05.05
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カテゴリ:ビジネス成功法
組織のメンバー同士が互いに信頼し合い、円滑かつ正確にコミュニケーションをとり、共通の目標達成に向けて課題共有し、協調して解決に取り組む。

こういうことができる組織は、おそらく良い成果を上げることができるだろう。

高業績組織の条件を定義することは簡単だが、こういう組織を実現し維持することは、とても難しいことだと思う。

何故かと言えば、人は信念と感情とエゴをもった生き物であり、自分の信念と異なる信念を持った他人や、自分の信念上、許されない行為をする他人に、怒りや不安や嫌悪感を持ち、しばしばコミュニケーションを避けたり、対立が生じて組織の問題解決が棚上げされためである。

こういう傾向は多かれ少なかれ人間である以上、誰でも持つもので、長く組織運営を行うと、こういう問題は避けて通れない。

では、こういう問題は為す術がなく、高業績組織の実現はメンバー次第、運に頼るしかないのだろうか?

僕はそうではないと思う。

組織のリーダー、メンバーが、こういう人間の傾向を理解した上で、日頃の業務の中で、自分の信念の傾向や自分の感情が生まれるメカニズムに気付くだけで、多くの問題が解消されるのではないかと思う。

人の感情は出来事により生まれるのではなく、出来事が自分固有の信念というフィルターを通すことにより、それぞれ異なる感情が生まれる。

例えば、他人の笑い声などが聞こえる騒がしい職場環境を活気があって良いと感じる人もいれば、うるさくて不快だと感じる人もいる。
逆に、静かな職場を、寂しく孤独を感じる人もいれば、落ち着いて心地よく感じる人もいる。

この例は、感じ方は人それぞれの信念により異なることを示している。
どちらが良いという例ではない。

問題なのは、その信念を固定化し、排他的になることである。

「職場は静かでなければならない」
「職場は活気がなければならない」

こういうふうに「~ねばならない」「~すべきだ」と思いこんでしまうと、もし、そうでない結果だったり、そうでない結果が見えてきた場合、怒りや不安や失望感が自分を苦しめ、時にはパニックに陥り、他人に不適切な対応を行ったり、自虐的になったり、無気力になったりする。

しかし、この世の中、無条件に「~ねばならない」ことは殆どない。
「~にこしたことはない」が、そうでなくても我慢できるし、代替できることが存在するケースが殆どである」

仕事の中で不適切な信念は山ほどあるだろう。

「部下に仕事をふれない。自分以外に、この仕事に適任者は無く、私が頑張るしかない。」

「上司は自分より優秀でなければならない。そうではない上司といっしょに仕事をしたくない」

「今の仕事は私の能力やスキルに値しない。この職場では一生つまらない仕事しかできないに違いない」

「クライアントから緊急の依頼があった。必ず、これに応えなければならない。」

これらの信念が絶対に正しいということは、論理的、科学的に証明は可能か?
どの教科書に書いてあるのか?
自分ひとりの信念で判断できることか?

おそらく「ねばならない」「ちがいない」を証明することは不可能なはずである。

このように、「~ねばならない」傾向に陥っている自分の感情に気付き、「~にこしたことはない」と、願望に過ぎないことを自覚するだけで、心は落ち着き、冷静な判断が行えると思う。
また、自分ひとりで判断するのではなく、まわりに相談してみると認識のズレがわかる。

こういう完璧主義的な不適切な信念により、他人や自分を責め、問題を起すのである。

実際に完璧な人間はひとりもいない。
しかし、諦めることはない。
人間は気付きにより良い方向に変容する能力がある。

人間関係のトラブルの多くは、誤解により生じると思う。
互いに、
相手は完璧ではないが、変わる可能性がある。
自分も完璧ではないが、変わる可能性がある。
相手にも相手の立場があり、言い分がある。
自分にも相手の立場があり、言い分がある。
といった自他尊重(I'm OK. You areOK)の姿勢で、話し合えば解決することが多いと思う。

こうした考え方が浸透した組織は、メンバー同士が互いに信頼し合い、円滑かつ正確にコミュニケーションをとり、共通の目標達成に向けて課題共有し、協調して解決に取り組むことができる。その結果、高業績をあげることができるだろう。





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最終更新日  2007.05.05 23:38:28
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