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カテゴリ:ビジネス成功法
今日は、『キャリア論』(高橋俊介著)の紹介。 慶応大学SFCのキャリア・リソース・ラボの調査(一流企業14社、2400名の最新人事調査)をもとに、企業における個人のキャリア形成と経営との関係を分析している。 まず、個人の視点から。 ・今日、個人が自分の将来像を明確に描くことは不可能であり、キャリア構築は予定通りにはいかない。 ・であるならば、自分にとってより好ましい変化を仕掛ける能力(キャリアコンピテンシー)を高める必要がある。 ・キャリアコンピタンシーは、結果として自分で満足できるキャリアを切り開き続ける行動能力である。 ・キャリアコンピタンシーを高める行動(キャリア自律行動)は、「主体的ジョブデザイン行動」「ネットワーキング行動」「スキル開発行動」 がある。 主体的ジョブデザイン行動とは、自分の価値感・ポリシーを持って仕事に取り組むこと、積極的に周囲を巻き込みながら仕事をすること、自分の満足を高めるように仕事の仕方を工夫していることなど。 ネットワーキング行動とは、積極的に人脈作りを行い、自分の問題意識を社内外のキーパーソンに共有してもらうようにしていること。 スキル開発行動とは、積極的に自分のスキル・能力開発に取り組むこと 企業の経営側から見れば、 ・自律型人材のリテンション対策として、社内でのキャリア自律を支援していくことが重要である。 ・何故なら今求められている自律型人材は、自己のキャリアも自律的に選択する特性があるから、社内でキャリア選択の自由度が低ければ、外部に流出する結果となるから。 ・こうしたことから職務の自由裁量度を高めると共に、社内でのキャリア選択の自由度が高い人事制度作りと、社員に対してキャリアカウンセリングなどキャリア形成支援を行うことが、リテンション対策として有効である。 ・一方、職務の自由裁量度が低い状態で、社員の「スキル開発活動」(MBA留学等)ばかり奨励すると人材流出リスクが高まる可能性が高い。 なるほど。 統計的に傾向を説明していることから、納得させられることが多い。 今は、人材流動化が当たり前の時代。 自発性ではなく、外部からの強制により、社員を支配しようと考えている経営者は、いつか見捨てられる。 そもそも人と企業は対等な労働の契約を結んでいるわけで、社員を我が物のように考えている経営者がおかしいということだ。 これからは、いかに社員がやる気を起こさせるか工夫をしている会社に優秀な人材は集まる 今後、ますます人材面で企業の勝ち組・負け組みの格差が広がるように感じる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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