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近頃、ビジネスの世界でも「傾聴」(アクティブ・リスニング)のスキルが重要と言われている。
コンサルティング会社の中には、社内研修として定期的「傾聴訓練」を実施している会社もある。 確かに、自分の気持ちや考えを脇において、クライアント、上司、部下など相手に興味を持ち、相手の考えや気持ちを積極的に聴く姿勢は、ビジネスの成果をあげるための重要なスキルだと思う。 しかし、普通の人間はテレパシーのような超能力はないので、傾聴訓練をどれだけ受けても、相手の考えや気持ちを100%わかるはずがない。 注意が必要なのは、すぐに「わかった」とに決め付けてしまう習性である。 「わかった」と思った途端、相手に興味を失い、更に相手が話を続けたとしても、自分のフィルターを通して解釈してしまうので、どんどんずれていく。 特に相手の話と自分の経験に類似点がある場合、勝手に同感してしまうことが多い。 「それ、わかる、わかる!」と、よく言う人は、相手に「そう簡単にわかってたまるか!」と思われているかもしれないので、注意した方が良い。 大事なことは「わかりたい」という気持ちや姿勢である。 「わかった」と決め付けた瞬間、関心は途絶え、それ以上深く「わかる」ことはないのである。 言い換えると、「わかった」とすぐに思う人は進歩がなく、「わかっていない」と関心を持続して追求する人は、より「わかる」ようになる。 これを書いていると、なんだか親鸞の悪人正機を思い出してしまった。 「悪人こそが救われる」という意味は、悪いことをすれば救われると言う意味ではなくて、自分を善人だ思い込んでいるか、善人ぶっている人は救われないということだろう。 ちょっと似てない? しかし、すべてのことを「わかろう」と思い続けることも不可能である。 自分が受け止め、解釈したことを絶対だと決め付けず、不確実性があること認識した上で頭に留めておけば、柔軟に訂正できるだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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